鳳来寺硯(ほうらいじすずり) <時代>奈良時代 <地域>東三河
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硯作り作業 |
左:鳳鳴石 右:金鳳石 |
<所在地>新城市門谷(JR飯田線本長篠駅下車,豊鉄バス田口行乗り換え鳳来寺下車徒歩10分)
<概要>
鳳来寺硯の歴史は古く,今から1300年ほど前に鳳来寺山の開祖である利修仙人のころから作られたものと伝えられている。鳳来寺の門前町,門谷で硯の生産が始められたのは明治20年のころからで,山梨県から職人が移住して来てからといわれている。材料の石には,門谷近くで採れる金鳳(きんぽう)石,煙巌(けんがん)石,鳳鳴(ほうめい)石が使われ,この3種類の石で作られた硯を鳳来寺硯とよんでいる。硯作りは,まず石を固い刃先がついたのみで削る。形ができあがると磨く。磨きには粗目から細目へと3種類の砥石を使う。そして最後に,風化や酸化を防ぎ,光沢を出すために漆を塗って仕上げる。
この鳳来寺硯は,鎌倉時代には鳳来寺堂塔の建立に協力した大工や参拝客が国元へのみやげに持ち帰ったり,室町時代には将軍が硯石を都に取り寄せて,都の職人に彫らせて大いに愛蔵したといわれるなど,昔から多くの人々に愛されていた。
<学習のポイント>
伝統工芸鳳来寺硯の製造工程を調べてみよう。地元の伝統的地場産業にはどんなものがあるかを調べてみよう。
<見学のポイント>
鳳来寺の表参道わきの店では,硯作りの工程を見学することができます。職人さんの熟練した技術と硯本来の目的である実用性と合わせて,高い芸術性を追求している美術品を鑑賞してみよう。
<参考資料>
「ほうらい」(旧鳳来町小学校副読本)「美しい自然と歴史の町 鳳来 散歩案内」
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