日常生活の指導
朝のダンスの写真
 朝のダンス
日常生活の指導は,児童生徒の日常生活が充実し,高まることをねらいとし,生活の流れに沿って,実際的な状況下で指導を行っていきます。
時間割調べの写真
時間割調べ  
日常生活の指導の内容例
@ 基本的な生活習慣に関する内容
  登下校時の準備,衣服の着脱,排せつ,食事,清潔など
A 生活に必要な基礎的な知識や技能に関する内容
  係活動や掃除,月日・曜日・天気調べなど
  1日の予定や行事など学校生活の見通しをもてるようにすること(朝,帰りの会など)
B 個別の課題学習
  日記や宿題の指導,ひも結びなど個々の課題の達成に関すること


生活単元学習
修学旅行に向けての学習の写真
修学旅行に向けての学習
生活単元学習は,児童生徒が生活上の課題処理や問題解決のための一連の目的活動を組織的に経験することによって,自立的な生活に必要な事柄を実際的・総合的に学習するものです。

水遊びの写真
       水遊び
生活単元学習の指導の内容例
@ 社会のルールや人々とのかかわり合いに関する社会的な事柄
  仕事(働くこと),買い物,公共交通機関の使い方など
A 季節や生き物の暮らしなど自然に関する事柄
  草花の観察や栽培,調理,昆虫の観察など
B 年中行事や学校生活の流れに関する事柄など
  学習発表会,野外活動,学校祭,学級の役割など
         
※遊びの指導について

 小学部を中心に,領域・教科を合わせた指導の一つとして,遊びの指導を取り入れている学校があります。生活単元学習や日常生活の指導の中で設定している学校,それらとは別に独立した指導形態として設定している学校もあります。

 遊びの指導とは,遊びを学習活動の中心に据えて,身体活動を活発にし,仲間とのかかわりを促し,意欲的な行動力を育てていくものです。


作業学習
窯業斑(小皿の絵付け)の写真
  窯業班(小皿の絵付け)
作業学習は,作業活動を中心とする実際的な経験を通して,責任感,協調性,持続力,働く意識等を培い,将来の職業生活や社会自立に必要な基礎的な力を養うことを目指しています。
作られた製品を使って,模擬販売実習も行われています。
木工斑(ティッシュボックス作り)の写真
木工班(ティッシュボックス作り)
作業班(作業内容)について
  ・木工班(本立て,すのこ,いす,鍋敷き 等)
  ・窯業班(花瓶,小鉢,皿,マグカップ,メダル 等)
  ・紙加工班・紙すき班(メモ帳,はがき,封筒 等)
  ・縫製班・手芸班(クッション,マット,袋等)
  ・農耕班(野菜,きのこ,果物,花 等)

その他にも,皮製品やプラスチック製品作り,洗濯,廃品回収など,学校によって特色ある作業内容が行われています。
        


自立活動
着脱練習の写真
サイコロ型の着脱練習用具を使ってのチャックやボタン等の練習




自立活動は,児童生徒が自立を目指し,障害に基づく種々の困難を改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達を培うことを目標としています。
自立活動に取り上げる内容としては,一人一人の発達課題に即したものですが,知的障害教育における主な内容としては,コミュニケーション,心理的安定,日常生活に必要なルールや基本動作に関する事柄などが挙げられます。
ペグ刺しの写真
 ペグ刺し      


部活動
夏の陸上競技大会の写真
陸上競技大会
高等部を中心に,各校とも部活動が行われています。

 
運動部では,学校により活動種目は違いますが,愛ぴっく体育大会(愛知県内の知的障害特別支援学校の生徒のための大会)に向けて,陸上競技,バスケットボール,フライングディスク,サッカー,などがあります。また,バレーボール,ソフトボ−ル,卓球などを行っている学校もあります。
冬のバスケットボール大会の写真
バスケットボール大会 
文化部では,美術部や音楽部,茶道・華道部などそれぞれの学校で特色ある活動が行われています。
各校の部活動の実施状況は,各校のホームページを御覧ください。


体験を重視した学習
野外活動(カレーライス作り)の写真
野外活動(カレーライス作り)
知的障害を有する児童生徒は,机上の学習だけでは実際の生活の場で応用されにくい場合が多いため,実際の現場での体験活動を重視しています。また,実際の現場に行けない場合は,教室環境や衣装,音楽など本物に近付ける工夫をして,その中で模擬体験活動を行っています。
社会見学(買い物)の写真
社会見学(買い物) 
主な体験活動としては,校外学習,社会見学,野外活動(宿泊学習,林間学習,オリエンテーション合宿),修学旅行,産業現場等における実習などがあります。
活動内容としては,買い物,店の活動や店調べ,交通安全,公共交通機関の利用,公共施設の利用,仕事や働くこと,野外炊事,ベッドメイキングなどがあります。


コミュニケーションをとるための工夫
複数キータイプのVOCAの写真
複数キータイプのVOCA
音声言語の発達が遅れている児童生徒とのコミュニケーションを図る方法として,以下のような補助的手段を用いています。
@ VOCA(Voice Output Communication Aids)の使用
  「はい」「いいえ」「トイレに行きたいです」など,一つのスイッチを押すと一つの録音された音声だけが出力されるスイッチタイプのものから,複数のキーをもつもの,50音キーをもつものと児童生徒の実態に応じて使用しています(携帯できるサイズもあります)。
スイッチタイプのVOCAの写真 スイッチタイプのVOCA   A 選択(文字や絵,シンボルマーク,写真,実物)
 自分の要求を絵や写真などを指差すことで伝えます。また,教師が活動内容を伝える際にも使用します。
B 身振りサイン
 既存のサインを一部取り入れるなどして,使用するサインを統一している学校もあります。


見通しをもてるようにするための工夫
時間割表の写真時間割表
安心して主体的に学校生活を送れるようにするために,今日はどんな授業があるのか,次にどんな活動をするのか,いつまで行うのかなど,児童生徒が見通しをもてるように以下のような工夫をしています。
@ 時間割の工夫
 小学部や重複障害学級を中心に,同じ授業を同じ時間帯にできるだけ設定するようにしています。
A 時間割表の掲示の工夫
 絵やシンボルマーク,写真を使用し,児童生徒が分かりやすい時間割表を作成し,1週間の見通しがもてるようにしています。また,別に今日の時間割や個別の活動スケジュールなども,絵や写真で示し,確認しています。
B 始まりや終わりの時刻への見通し
 音の出るタイマー以外に,視覚的に終わるまでの時間が分かるタイマーを個別の課題学習や作業学習で使用している学校もあります。
タイマーを使っての作業学習の写真
タイマーを使っての作業学習


進路指導
校内実習の写真
校内実習
進路指導は,単に卒業後の行き先を決定するための指導ではなく,卒業後の社会生活,職業生活に必要な技能や態度,体力等を身に付けるために学校や家庭,関係諸機関が互いに連携して行う全般的な活動です。 
進路指導としては,生徒に対しては,生活単元学習や作業学習を中心とした指導の他,職場見学や産業現場等における実習を行っています。保護者に対しては進路講話会や進路懇談会などで情報提供を行っています。
産業現場等における実習の写真
産業現場等における実習
産業現場等における実習については,中学部段階では,校内実習(授産施設での実習を実施している学校もあります)を実施し,高等部になって,授産施設などの社会福祉施設や事業所での実習を実施しています。
進路先としては,中学部卒業後はほとんどの生徒が高等部に進学しています。高等部卒業後については,製造業や卸小売業,サービス業などの事業所,更生施設,授産施設,デイサービスなどの社会福祉施設,職業開拓校などがあります。
進路状況等詳細は,各校のホームページを御覧ください。