愛知県総合教育センター研究紀要 第95集

  インターネットの教育利用に関する調査研究(参加・交流)

さらに詳しくご覧になりたい方は詳細

はじめに

 「小学校学習指導要領」第1章総則第5の2に,「(11)開かれた学校づくりを進めるため,地域や学校の実態等に応じ,家庭や地域の人々の協力を得るなど家庭や地域社会との連携を深めること。また,小学校間や幼稚園,中学校,盲学校,聾学校及び養護学校などとの間の連携や交流を図るとともに,障害のある幼児児童生徒や高齢者などとの交流の機会を設けること」とある。また,「学校間の交流としては,例えば,近隣の中学校や校区内の小学校と学校行事,部活動,自然体験活動,ボランティア活動などを合同で行ったり,自然や社会環境が異なる学校同士が相互に訪問したり,コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用して交流したり…」と,具体的な交流の形が例示されている。「中学校学習指導要領解説−総則編−」では,このように実際に相手を訪問しての交流のみならず,ネットワークなどを活用した交流の推進が期待されている。

1 研究の目的

 本研究は,児童生徒や学校・地域の実態に合ったコンピュータや情報通信ネットワークなどを活用した交流が行われることにより,ネットワーク及びインターネットの活用促進が図られることを目指す。この研究を通して学校全体が活性化し,生徒が幅広い経験を得て視野を広げ,豊かな人間形成を図っていくことを目指して,平成12年度以来継続して研究を進めている。

2 研究の方法

 学級・学校が参加・交流できる場として愛知エースネット「参加・交流の広場」を提供する。これにより,ネットワークを活用した参加・交流学習を一層進め,その成果を「参加・交流の広場」から発信する。

3 研究の内容

(1)  ネットワークを活用した学校の参加・交流学習の在り方について検討する。
→「愛知エースネット」内に「インターネットを使った交流学習Q&A」
   として掲載
(2)  Webページを通して学校間交流ができる場を提供し,活用を図る。
→「愛知エースネット」内に「参加・交流の広場」を設置
(3)  参加・交流学習の実践を行い,活動の様子や成果について紹介する。
→「愛知エースネット」内に「交流学習の実践例」として掲載

4 研究のまとめと今後の課題 

 ネットワーク及びインターネットを活用した参加・交流学習は,児童生徒の学習意欲を高め,積極的な学習への参加姿勢を生み,活動後に大きな充実感を味わうことができた。
 ただし,通信環境や機材の違いにより,うまく交流ができなかったり,事前の打合せが不十分でせっかくの機会を生かしきれなかったりするような場面もみられた。どのような通信環境や機材なら,どのような実践が可能かを見極め,まとめていく必要がある。
 また,これまでの実践をみると,総合的な学習の時間や特別活動及び部活動などの実践に比べて,交流学習を有効活用した各教科の実践報告がまだまだ少ないのが現状である。各教科における効果的な交流学習の在り方や,教科・単元への活用方法の研究を一層深める必要がある。

おわりに

 今後はさらにブロードバンド化が進み,動画を直接交換するような交流学習なども可能になるであろう。常に教師が手間を惜しむことなく,その時々の環境・実態にあった参加・交流学習の一層の活性化のために今後も研究・実践に取り組む必要がある。