コミュニケーションツール「Wiki」の活用(1/5)

1 はじめに

 最近,ブログ(Weblogの短縮)という言葉をよく耳にするようになりました。インターネットの世界では,電子掲示板やウェブログなどのお互いに書き込みながらコミュニケーションを図っていくツールが脚光を浴びています。学校においても,電子メールやWebページ作成等,情報発信について学習する機会は多くみられます。しかし,一つの情報を複数人数で共有し,双方向でやりとりするという機会はこれまであまりなかったように思います。

 ここでは,Webコンテンツを管理するコミュニケーションツールとして「Wiki」を利用し,児童生徒がお互い自由に意見を書き込みながら,HTML言語を意識せずに手軽にWebページを作り上げていく実践事例を紹介します。

2 コミュニケーションツール

 (1) Wikiとは

 Wikiとは,1990年代にWard Cunningham氏が発案したもので,Webブラウザから簡単にWebページの作成・編集などが行えるWebコンテンツ管理システムです。これは複数の人が共同でWebサイトを構築していく利用法を想定し,閲覧者が簡単にページを修正したり,新しいページを追加したりできる仕組みになっています。

 Wikiは,電子掲示板(BBS)に似たシステムですが,電子掲示板が「発言」を積み重ねるツールであるのに対し,Wikiは内容の編集・削除が自由であることから,誰もが自由に「記事」を編集していくツールといえます。柔軟性が高く操作が簡単なことから,メモ帳代わりに使ったり,簡易なコンテンツ管理システムに利用したりする人も多いシステムです。ただし,学校で利用する場合は,自由度が高い分,十分な指導も必要になります。

 (2) その他のコミュニケーションツール

 Wiki以外によく利用されているコミュニケーションツールとして,電子掲示板やブログがあります。それぞれの特徴は次のとおりです。

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