無線LANの特徴とセキュリティについて(2/3)

4.無線LANを構築する上での留意点

(1) 使用機器
無線LANを利用するためには,ネットワークとコンピュータを接続するためのアクセスポイントと無線LANカードが必要になります。アクセスポイントは,有線LANに接続し,そこを基点にワイヤレスでコンピュータと送受信を行います。また,コンピュータ側には無線LANカードを挿入してアクセスポイントと通信を行います。このとき,アクセスポイントと無線LANカードは同じ規格でなければなりませんが,最近では11a/b/g の三つの規格に対応した製品もあります。 

アクセスポイント例 無線LANカード例

アクセスポイントにはルーティング機能やリピータ機能を持つ製品もあり,各ネットワーク環境に適したアクセスポイントを使用しなければなりません。 

(2) インフラストラクチャ接続 ・アドホック接続
無線LANには,LANカードだけを用いて,コンピュータ同士をピアツーピアでネットワークを構築するアドホック接続と,アクセスポイントを用いて有線LANに無線LANを接続するインフラストラクチャ接続があります。数台のコンピュータだけでネットワークを構築するのならばアドホック接続でも可能ですが,多数のコンピュータで構築したり,WANと接続するためにはインフラストラクチャ接続にする必要があります。
職員室など配線が固定しにくい場所や,校内の既存のネットワークに有線では接続できないコンピュータをネットワークに接続させるために無線LANを導入することが考えられます。このような場合はインフラストラクチャ接続を用いることになります。

5.無線LANの設定

実際に無線LANのセキュリティ設定画面で説明していきます。
今回はアクセスポイントにエレコム社のLD-WL5411/AP,無線LANカードにバッファロー社のWLI-PCM-L11を使用しました。

(1) アクセスポイントの設定
無線LANでは先にアクセスポイントの設定から始めた方が導入しやすいでしょう。また,いきなりセキュリティをかけてしまうと,接続できなかった場合に原因の特定が難しいので,初めはセキュリティをかけずに設定を行い,接続ができることを確認後,設定し直すのが良いと思います。

a.ログイン画面

アクセスポイント設定の初期画面です。設定はWebブラウザで行いますから,画面の指示に従っていけば初心者でもスムーズに設定することができます。

b.IPアドレス設定

この画面でIPアドレスを設定します。ここではIPアドレスは初期値の状態です。

c.ステルス機能の設定

ここでSSID(ESS-ID),ステルス機能,使用チャンネル,伝送速度を設定します。この画面ではステルス機能は無効,IDはLaneed54となっています。

d.MACアドレスフィルタリング機能の設定

ここでMACアドレスフィルタリング機能の設定を行います。この製品ではフィルタリング機能の無効,登録MACアドレスの接続許可または,登録MACアドレスの接続拒否の選択ができます。この画面ではフィルタリング機能が無効状態です。

e.WEPの設定

ここでWEPの設定を行います。WEPの無効,オープンシステム,シェアードキーを選択できます。この画面ではWEP無効の状態です。

f.管理者パスワードの設定

ここで管理者のパスワードを設定します。設定が勝手に変更されてしまわないために,必ずパスワードを設定しておきましょう。

以上がアクセスポイント側の設定です。

(2) 無線LANカードの設定
アクセスポイントの設定後にLANカードの設定をします。今回の設定はWindows XPにある「ワイヤレスネットワークの接続プロパティ」を使いました。

a.ワイヤレスネットワークの接続状態

ここで無線LANの接続状態(伝送速度,電波の状態)が確認できます。[サポート]タブを選択すると次の画面になります。

b.サポート

ここでIPアドレス,やサブネットマスクの設定ができます。

c.プロパティ

「ワイヤレスネットワークの接続状態」の画面でプロパティを選択し,[ワイヤレスネットワーク]タブを開くと,この画面になります。ここで接続可能なネットワークの一覧が表示されます。この中から自分が使用するネットワークを選びます。周辺にある検出可能なネットワークが全て表示されますから,接続先を間違えないように注意します。

d.詳細設定

ここでWEPキーの設定を行います。

以上で無線LANカードの設定が終了です。

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