実際の業務分担に合わせてグループを作成することで,設定作業を効率的に行うことができます。グループ名は,教務部や生徒指導部などの分掌,国語科や数学科などの教科,1学年や2学年など,実際の組織名と同じ名称にすると,後ほどの設定がやりやすくなります。一人の教員が複数の分掌に所属することがあるのと同様,一人のユーザを複数のグループに所属させることもできますので,実際の業務分担に合わせて,柔軟にグループの名称を付けてください。
グループを作成するには,「Active Directory」の「ドメインサービス」という機能を使います。今回は,この機能を利用したドメインコントローラで,グループを作成します。
ア 「スタート」より「管理ツール」−「Active Directory ユーザーとコンピューター」を選択します。
イ 「Active Directoryユーザーとコンピューター」画面左ペインのドメイン名の上で右クリックし,表示されたメニューから「新規作成」−「グループ」を選択します(図1)。
ウ 「新しいオブジェクト‐グループ」画面の「グループ名」に教務部や生徒指導部などのグループ名を入力し,「OK」をクリックします(図2)。
ここでは,「教務部」グループを作成します。
「グループのスコープ」,「グループの種類」は,初期設定(図2)のままで結構です。
個人ユーザにアクセス許可を設定することもできますが,学校の業務分担が変更される度にアクセス許可を設定すると作業に時間がかかり,ミスが生じやすくなります。そこで,グループにアクセス許可を設定することで,ミスの軽減と作業効率を上げることができます。また,この設定でユーザを制限することにより,セキュリティの確保にもつながります。
ここでは,あらかじめCドライブ内に作成した「WORK」フォルダに対して,設定を行います。共有設定は必要に応じて行います。
ア Cドライブの「WORK」フォルダを右クリックし,プロパティを開きます(図3)。
イ 「WORKのプロパティ」画面の「セキュリティ」タブを選択します(図4)。なお,「グループ名またはユーザー名」に「Administrators」グループが表示されていますが,「Administrators」グループのアクセス許可は,システムを管理するために必要ですから,消さないように注意しながら設定します。
ウ 「WORKのセキュリティ詳細設定」画面の「アクセス許可の変更」ボタンをクリックします(図5)。
エ このフォルダ専用の設定にするため,「このオブジェクトの親から継承可能なアクセス許可を含める」のチェックを外します(図6)。チェックを外すと,「Windows セキュリティ」画面が表示されます(図7)。
オ 「Windows セキュリティ」画面の「追加」ボタンをクリックします。
カ 不要なアクセス許可を削除します。「アクセス許可エントリ」に「Users」のアクセス許可が2種類表示されていますが,いずれも不要ですので,この二つを「アクセス許可エントリ」から選択し,「削除」ボタンをクリックします(図8)。
キ グループに対してアクセス許可を与えます。「追加」ボタンをクリックすると,「ユーザー、コンピューター、サービスアカウントまたはグループの選択」画面が表示されます(図9)。
「OK」ボタンをクリックすると,「WORKのセキュリティ詳細設定」画面に戻り,「アクセス許可のエントリ」に「教務部」が追加されます。
ク アクセス許可を変更するため,「WORKのセキュリティ詳細設定」画面の「アクセス許可のエントリ」に表示されている「教務部」を選択し,「編集」ボタンをクリックします(図11)。
ケ 表示された「アクセス許可エントリ」画面の「アクセス許可」内の「許可」,「拒否」の必要な箇所にチェックを入れ,読み取りや書き込み権限の設定を行います(図12)。
アクセス許可を与えたグループにユーザを追加します。一般的な追加方法は,次の二つです。
ア 2(2)アと同様の手順で「Active Directoryユーザーとコンピューター」画面を開きます。
イ 「Active Directoryユーザーとコンピューター」画面右ペインの「教務部」を右クリック(図13)し,「教務部のプロパティ」を表示します(図14)。
ウ 「教務部」グループにユーザを追加します。以下の設定画面では,グループに所属させるユーザを「メンバー」と表現して追加作業を行っています。
(ア) 「教務部のプロパティ」の「メンバー」タブを選択します(図15)。
(イ)「追加」ボタンをクリックすると「ユーザー、連絡先、コンピューター、サービス、アカウントまたはグループの選択」画面が表示されます(図16)。
図16 「ユーザー、連絡先、コンピューター、サービス、アカウントまたはグループの選択」画面
「ユーザー、連絡先、コンピューター、サービス、アカウントまたはグループの選択」画面で,グループにユーザを追加する方法は次の二つです。
(a) 「選択するオブジェクト名を入力してください」に直接ユーザ名を入力する。
(b) 「詳細設定」から「検索」する。
直接入力,あるいは検索により表示されたユーザ名を確認し,「ユーザー、連絡先、コンピューター、サービス、アカウントまたはグループの選択」画面の「OK」をクリックし,画面を閉じます。
「教務部のプロパティ」画面の「OK」をクリックし,画面を閉じます。
ア 2(2)アと同様の手順で「Active Directoryユーザーとコンピューター」画面を開きます。
「Active Directoryユーザーとコンピューター」画面右ペインの「教員1」(ユーザー)を右クリックし(図17),表示されたメニューからプロパティをクリックします。ここでは,あらかじめユーザが作成されているものとします(参考:ユーザの作成方法は,「Active Directoryユーザーとコンピューター」画面左ペインの「USER」を右クリックし,メニューから「新規作成」−「ユーザー」で行うことができます)。
イ 表示された「教員1のプロパティ」画面の「所属するグループ」タブを選択します(図18)。
ウ 「所属するグループ」タブで「追加」ボタンをクリックすると「グループの選択」画面が表示されます(図19)。この画面で,ユーザを基準として,所属させたいグループを追加します。
エ ユーザをグループに所属させる方法は,次の二つです。
(ア) 「グループの選択」画面内の「選択するオブジェクト名を入力してください」に直接グループ名を入力する。
(イ) 「グループの選択」画面の「詳細設定」からグループを「検索」する。
必要なユーザを追加したら,「OK」をクリックしプロパティ画面を閉じます。
ア グループの作成
イ グループへユーザを追加
ウ グループからユーザを削除
エ グループの削除