Windows 2000 Serverにおける障害耐性(2/2)

6.バックアップについて

バックアップは不慮の事故が起きた時に利用者が作成したデータファイルやOSのアカウント情報,セキュリティ情報, OSのプログラムそのものを復旧するためのものです。特に,ファイルサーバには大切なデータが保存されており, 常にデータのバックアップを取る必要があるといえます。これまでに紹介したRAIDやUPS等を導入すれば, バックアップは不要と感じるかもしれませんが,それは間違いです。確かにハードウェア障害に対しては万全といえるかもしれませんが, 人為的な原因である操作ミスによるファイルの削除や上書き保存,ウィルスなどの破壊活動には全く無力です。 ハードウェアの故障の確率よりも人為的な原因によるデータの消失や破壊の確率のほうがはるかに高く, その対応のためにも日頃のバックアップが大切です。もちろん,何をバックアップすべきか検討して定期的にバックアップをとることが望ましいでしょう。

バックアップには二通りの考え方があります。
フルバックアップが望ましいのですが,時間がかかる上,バックアップ媒体を保管することを考えると現実的ではありません。
そこで,通常は定期的(学期末や定期考査ごと)にフルバックアップを取り,その後は,追加・変更されたファイルのみを差分バックアップとして取ることが考えられます。
差分バックアップであれば短時間でバックアップを取ることができ,ファイルサーバであれば最適な方法と言えるでしょう。

Windows 2000 Serverのバックアップには5種類のバックアップ方法が提供されています。

バックアップ方法バックアップ対象備考
コピーバックアップ選択したファイル一般的なバックアップ用途ではない
毎日バックアップバックアップ日に更新/作成された
ファイル
一日でもバックアップを忘れると
リストアできなくなる
差分バックアップ未バックアップの全ファイルリストアに必要なテープが少ない
増分バックアップ未バックアップの全ファイルバックアップ量は少ないがリストアには
全テープが必要
通常バックアップ
(フルバックアップ)
全ファイルバックアップに時間がかかる
また,バックアップ媒体としてはハードディスク,テープ,リムーバブルディスクが使用できます。
ここでは,テープ(DAT)を利用する方法とハードディスク(HDD)を利用する方法を紹介します。

7.DATによるバックアップ

DATテープ DAT

手順について

(1)スタートボタンをクリックし,[プログラム]−[アクセサリ]−[システムツール]−[バックアップ]と選択します。
 [バックアップ ウィザード]ボタンをクリックし,ウィザードの指示に従い[次へ]ボタンをクリックします。

バックアップウィザード1


(2)バックアップを作成する項目を選択します。
バックアップウィザード2

(3)差分の場合は,さらにドライブやフォルダ,ファイルなどを詳細に指定できます。

バックアップウィザード3


(4)バックアップ メディアの種類で「4mm DDS」を選択します。
 ※ここで,バックアップ先をハードディスクやリムーバブルディスクを選択することができます。

バックアップウィザード4


(5)バックアップウィザードの完了
 設定を確認し,よければ[完了]ボタンをクリックするとバックアップが開始されます。
 [詳細設定]ボタンをクリックしてバックアップの種類(通常・差分等)を変更できます。

バックアップウィザード5
詳細設定

(6)バックアップの進行状況(経過時間やファイル数,バイト数など)が表示され,バックアップが完了します。

バックアップウィザード6

8.HDDによるバックアップ

DATによるバックアップと同様,ウィザードに従って進め,保存する場所のダイアログボックスでメディアの種類をファイルにします。[参照]ボタンをクリックし,保存先をハードディスクに変更してファイル名をつけます。

バックアップメディアの指定

9.リストアの方法

(1)スタートボタンをクリックし,[プログラム]−[アクセサリ]−[システムツール]−[バックアップ]と選択します。
 復元タブをクリックし,復元先のドライブ,フォルダ,ファイルを選択します。

復元ウィザード1

(2)詳細にフォルダやファイルなどを指定することができます。
 [復元の開始]ボタンをクリックして次に進みます。

復元ウィザード2

(3)復元の確認ダイアログボックスが表示されます。

 [OK]ボタンを押すと,復元が開始されます。
 [詳細設定]ボタンをクリックして,オプションを指定することができます。

復元ウィザード3

復元オプションの指定

(4)実際に復元が開始されます。

復元ウィザード4

(5)復元の進行状況(経過時間やファイル数,バイト数など)が表示され,復元が完了します。

復元ウィザード5

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