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生徒実習課題例

交通渋滞のシミュレーション

信号待ちによる渋滞の発生


科目の中の位置づけ

情報の科学(2)ウ モデル化とシミュレーション

実習内容

ねらい

 モデル化とシミュレーションの考え方や方法について理解し、実際の問題解決に活用できるようにする。
 題材として、信号待ちにより発生する渋滞を取り上げる。


実習に必要な機器、材料

  • サイコロ(各班 1個)
  • 作業プリント(各生徒 1枚) (下の課題ファイル中にプリント例あり)
  • 表計算ソフト(関数のみでシミュレーション可能)

授業プリント例
  授業用プリント、確認テスト、評価規準の例を作成しました。
  "41_jutai.doc" Word 97-2003文書 (74KB)

課題

A.基本課題
 簡単な例で、信号待ちによる渋滞の発生をシミュレーションしてみよう。

課題A(1)
 交差点における車の通行をモデル化し、信号待ちで渋滞が発生する様子をサイコロを用い手作業でシミュレーションする。(詳細はプリント)

課題A(2)
 A(1)を表計算ソフトを用いてシミュレーションする。

B.応用課題
 渋滞を解決するためには、どうしたらよいか信号の赤、青の点灯時間に注目して考えてみましょう。


状 況[道路]
 ここは、T市の国道と県道の信号交差点である。国道は片側2車線、県道は片側1車線で、どちらも右折用の車線はない。

[渋滞の発生の様子]
 朝の通勤時間帯(7時〜8時)に渋滞が発生している。国道のみ渋滞が発生し、県道は比較的すいていて、渋滞が発生していない(各道路上線、下り線の状況は同じ)。

[考えられる原因]
 原因を調査した結果、各道路で信号が青になっている時間はともに1分で等しく、そのため交通量の多いほうの道路に渋滞が発生していることが判明した。


モデル化
  1. 国道は、片側2車線であり、青信号のとき交差点を1分間に25台のが通行できる。
  2. 県道は、片側1車線であり、青信号のとき交差点を1分間に10台の車が通過できる。
  3. 国道は、1分あたり11〜16台(ランダム)の車が到着する。
  4. 県道は、1分あたり1〜6台(ランダム)の車が到着する。
  5. 信号は1分単位で、赤、青の点灯時間が調節できる。
  6. 黄色の時間は、赤、青の時間と比べて短いので無視する。
  7. 国道、県道は、交互に1分ずつ信号が青になる。


課題B(1)
 今の状況をモデル化した条件に従って、表計算ソフトを用いて、シミュレーションしてみよう。

課題B(2)
 国道の渋滞を解消するために、上記のモデル化の7の信号の赤、青の点灯時間を変更してみよう。


C.発展課題
 B(2)で、点灯時間を変更したモデルを用い、より実際の交通状況に近づけるために、さらに条件を付け加えて渋滞の発生状況をシミュレーションしよう。

モデル化の4の変更
  4'.県道は、1分間に7〜10台(ランダム)の車が通過できる。


課題C(1)
 県道は、右折専用の車線がないので、右折車が存在すると1分間に通過できる車の台数が少なくなる。そこで、上記のモデル化の4を変更して渋滞の発生状況をシミュレーションしてみよう。


課題ファイル例
課題ファイルの例を作成しました。作業プリント、解答例があります。

表示するときは、下記のファイル名をクリックしてください。
  "singou.xls" Excel 97-2003ブック (169KB))

実習方法

  1. モデル化とシミュレーションについて学習する。
  2. 実習課題Aに取り組む。
  3. 制作物の提出。発表。自己・相互評価。
  4. 課題B、Cについても2.、3.を繰り返すが、割り当ての時間数、生徒の習熟度により選択実施する。
    各種チェックシート例に制作物の評価シートがあります。評価の観点を適宜変更して利用可能。)



時間配分  100分

時間配分 生徒の動き 教師の動き
10分 学習内容
  • モデル化とシミュレーション
  • 実習課題Aの進め方
モデル化
シミュレーション


実習課題Aの説明
実習プリントの配布
20分 基本課題A
  • サイコロを用いたシミュレーション
  • 表計算ソフトを用いたシミュレーション
  • プリントの回収
巡回し、補足説明。

プリントの提出
20分 応用課題B(1)
  • モデル化された条件にしたがって渋滞の状況をシミュレーションする。
課題Aで作成したシートは変更せず、新しいシートに作成するように指示。

巡回し、補足説明。
次回の授業は、実習課題B(2)にとりかかるので、この時間中に(1)まで終了するように指示。
10分 応用課題B(2)
  • 課題B(1)で作成したシミュレーションをもとに信号の赤、青の点灯時間を変更し、渋滞が発生しないようなパターンを探す。

課題B(1)で作成したシートは変更せず、新しいシートにコピーして作成するように指示。

巡回、補足説明。

35分 発展課題C
  • 課題B(2)で作成したシミュレーションをもとに、交差点を通過する台数がランダムに変化する場合をシミュレーションする。
課題B(2)で作成したシートは変更せず、新しいシートにコピーして作成するように指示。

巡回、補足説明。
5分 学習内容
  • 作成したシミュレーションのファイルを指定された方法で提出。
  • コンピュータの終了確認。
ファイルの回収。

ファイルの提出を確認。