疑似体験

目 的
  妊婦,高齢者,不自由さの疑似体験をすることにより,ハンディキャップのある人の苦労や周囲の環境について考える。また,思いやりの心を育てるとともに,ノーマライゼーションについて理解を深める。


方 法
  一人は妊娠体験用ボディスーツを着用した上で,赤ちゃんに見立てた人形を抱く。あるいはインスタントシニア用具を装着する。何も身に付けない人と二人一組で廊下や階段を歩き,妊婦や高齢者の立場を擬似体験する。(班で一人希望者が体験)。
 次にアイマスクを着用して,二人一組で廊下や階段を歩き,視覚障害の擬似体験をする。照明を消し,めがね等をはずした状態で,黄色のセロファンを通して本を読む。手袋をした状態でボタンのかけはずしをしたり,新聞をめくったり,おりがみを折るなどの体験をする。他にも利き手でない手で字を書く。指で耳をふさいだ状態で会話をするなど,身体に障害のある人の立場を疑似体験をする。(全員が体験)


 疑似体験用具
妊娠体験用ボディスーツ インスタントシニア用具 視覚障害体験用具
 実習風景
体験用具をつけて階段をおりる
アイマスクをつけて歩く


 生徒の感想
  まだ妊娠中期というのにすごく重くて驚いた。あの状態で,揺れているバスや電車の中で立っているのはすごくつらいだろうと思った。これからは,すすんで席を譲ろうと思った。 
 足の自由がきかない。少しの動きでも重くてつらいこと分かった。少し体験しただけであれだけつらいと思ったのだから,実際の妊婦さんは毎日どんな思いでいることかと思った。でも,きっとそれは生まれてくる子共への愛情と,また,赤ちゃん自身に支えられているのだと思う。


 成果と課題
  妊娠体験用ボディースーツ,インスタントシニア用具は,持っている学校からお借りした。体験用具を多数用意することができないため,妊婦体験,インスタントシニアは希望者のみに体験させたが,女子のほうが希望が多かったので,男子も興味関心がもてるように事前の指導が必要だと感じた。黄色のセロファン,手袋,おりがみ,アイマスクを使っての体験は全員が行った。生徒は真剣に取り組んでいたが,時間がかかり1時間では時間不足の状態であった。あらかじめ内容をしっかりと説明し,能率的に進める工夫が必要である。