資源・環境を考える | ||
〜インターネットを使った調べ学習〜 | ||
1 はじめに |
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経済発展や便利で快適な生活を優先してきた結果,環境問題や資源・エネルギー | |||||
問題が生じてきている。この現状を受けて,家庭科の学習では,平成25年から施行さ | |||||
れる新学習指導要領において,資源や環境に配慮し,持続可能な社会を目指したラ | |||||
イフスタイルの確立ができるように求められている。 | |||||
そこで,環境を保全するために「ゴミ問題への取組」を取り上げ,日本だけの取組に | |||||
とどまらず,世界各国について,インターネットを使って調べ学習を行い,消費者として | |||||
環境負荷の少ない生活をするにはどうすればよいかを考えさせる必要がある。 | |||||
2 目的 | |||||
(1) 消費者が商品を選択する際に,環境情報として環境ラベルの位置付けがある。 | |||||
このラベルを導入として用いることで環境保全についての興味を高める。 | |||||
(2) 環境について考える手だての一つとして,世界各国のごみ問題への取組を知る。 | |||||
(3) 消費生活が環境に影響を与えていることを知り,資源や環境に配慮した消費行 | |||||
動ができるようにする。 | |||||
3 準備 | |||||
(1) ICT機器を利用するための実習室を確保する。 | |||||
(2) 資料プリント(PDF),学習プリント(PDF)を用意する。 | |||||
(3) ヨーロッパ,アジア,北アメリカ,南アメリカ,オセアニアのごみ問題への取組につ | |||||
いて調べるために,あらかじめグループ分けをする。 | |||||
4 学習過程 | |||||
(1) 資料プリントを用いて,50年後に予測される世界のごみの量の推移を知る。 | |||||
(2) 世界各国でゴミの量を削減するための取組について,インターネットを用い,グル | |||||
ープごとで調べ学習をする。 | |||||
(3) 世界各国の環境に関するラベル,ごみ問題に対する取組について学習プリントに | |||||
具体的に記入し,調べ学習を行った国の環境問題への取組について理解を深める。 | |||||
(4) グループごとに調査をまとめ,クラスで発表する。 | |||||
(5) 消費生活が環境に影響を与えていることを熟知し,消費者として環境負荷を少な | |||||
くする消費行動の在り方を考える。 | |||||
5 まとめ | |||||
現在のごみの量から将来のごみの量を予測すると,2050年には2000年のごみの | |||||
量の2倍になると言われている。この問題から,ごみ問題について関心を高めさせた。 | |||||
さらに,自分自身が環境に影響を与える存在でもあるということを認識させることがで | |||||
きた。 | |||||
また,インターネットを用いて調べ学習をすることにより,視覚的・体験的に学習で | |||||
き,環境問題について,よりよく深刻に捉えたようである。生徒の学習プリントの記録 | |||||
(PDF)や発表から,日本だけでなく世界に目を向けたことにより,ごみ問題に関して | |||||
意識が高く環境先進国と言われている国もあれば,まだまだ意識が低くごみを細かく | |||||
分別せず捨てている国があるなど,いろいろと国による状況の違いを学んだ様子がう | |||||
かがえた。世界各国に環境に関するラベルがあることを知り,環境問題に興味をもた | |||||
せることができた。 | |||||
グループ分けについては,指導者側が指定してヨーロッパ,アジア,北アメリカ,南 | |||||
アメリカ,オセアニアより,それぞれ1カ国を生徒に選択させて調べ学習を行ったが, | |||||
生徒から,更に多くの国の状況を調べたいという声が上がった。長期休業に課題と | |||||
し,個人研究を行い,レポートにまとめ,発表や討論の時間を授業内で確保するとよ | |||||
いのではないかと考えられる。 | |||||
6 参考文献 | |||||
○文部科学省 『高等学校学習指導要領解説 家庭編』 開隆堂出版 2010年5月 | |||||
○藤田千枝編/ 新美景子著 『環境の世界地図』 大月書店 2005年2月 | |||||
○ごみ指導ガイドプロジェクトチーム編 『ごみ問題を子どもに教えるためのガイド』 | |||||
星の環会 2009年3月 | |||||
○佐島群巳 高山博之 山下宏文編 『教科学習におけるエネルギー環境教育の授 | |||||
業づくり【小学校編】 』 2009年10月 | |||||