岩屋寺(いわやじ)  <時代>室町時代  <地域>知多
岩屋寺の経堂 五百羅漢

<所在地>南知多町山海(名鉄知多新線内海駅より徒歩50分)
<概要>
 岩屋寺は715年(霊亀元)に元正天皇の勅願により,行基を開祖として創建されたと言われる。奥の院は弘法大師空海が百日間の修行を積んだとの伝説ももつ。また,親鸞上人が阿弥陀堂に本尊を納めたという。19世紀の文化年間に尾張藩によって徳川の勅願所となり伽藍が整備され,山内十二坊を数えたという。もともとは天台宗であったが,昭和25年に独立し,尾張高野山の総本山となった。裏手の山を登ると石造りの五百羅漢が並ぶ。古くはなっているものの戒壇院も残る。山上には弘法大師の石仏も建つ。
 この寺が「岩屋寺」と呼ばれるように,奥の院に登ればそこはまさに霊場としての雰囲気が漂う。岩肌には清水が流れ,石窟の至る所に石仏があり,その数は数千体に及ぶという。時折,山間に般若心経を唱える声がこだまする。
 寺宝である大蔵経5463巻は戦国時代に大野城主佐治氏から寄進を受けた。原典は中国唐時代に玄奘(げんじょう)法師がインドから伝えたものであるが,宋の時代にたびたび印刷されたものである。よく完備され欠本が少ない点で大変に貴重な資料で,国の重要文化財に指定されている。その他にも,弘法大師使用と伝えられる仏具15点26器も国の重要文化財の指定を受けている。

<学習のポイント>
 平安仏教の全国への広がりを示す例として,郷土に残る資料をぜひ紹介したい。

<見学のポイント>
 奥の院は,岩屋寺から東へ300メートルほど東の山中にある。伊勢湾の海から少し入ればこんな山があったのかと思うほどの静寂さである。

<参考資料>
「南知多町誌」 「古寺と仏像」 「知多新四国めぐり」

<問い合わせ先>
 岩屋寺

 愛知エースネットへ      トップへ