藤井神社(ふじいじんじゃ)  <時代>鎌倉時代  <地域>知多
藤井神社 全景

<所在地>大府市横根町(JR東海道本線大府駅下車徒歩40分)
<概要>
 藤井神社は大府市横根町にあり,天照皇大神など三柱を祭神としている。昔から横根地内には多くの社があり,現在では藤井神社に二十一柱が合祀されている。
 創建の年代ははっきりしないが,社伝によれば1191年(建久2)源頼朝の勧請と言われる。全国を手にした頼朝は,父義朝の菩提を弔うために美浜町野間の大御堂寺に参拝した。その際,この地に藤井大明神を勧請したと言われる。また,すでに七世紀後半に創建され,頼朝が再興したとの説もある。神社の近くには弥生時代の遺跡があり,奈良から平安時代の出土品もあって社伝と時代も一致する。いずれにせよ古い由来をもつ神社である。
 藤井神社には「藤井宮大明神御酒瓶子」と刻まれた鎌倉時代の陶製瓶子(びんす)が伝えられている。素焼きで荒々しさを感じさせるこの瓶子は,付近の地中から1886年(明治19)に出土したもので,御神酒を献ずる器であり,すでに鎌倉時代には藤井神社が一社をなしていたことが分かる。この瓶子は昭和45年に県指定文化財に指定されている。

<学習のポイント>
 社伝と考古学の成果を結びつけ,歴史を探究する好例として藤井神社を取り上げたい。 
<見学のポイント>
 言い伝えによると神社内に藤の古木と清水をたたえる泉があり,社名のいわれとなっている。この泉の跡地は,今は「藤井の里」として石垣で囲み,保存されている。
<参考資料>
 「大府市誌」
<問い合わせ先>
 藤井神社

 愛知エースネットへ      トップへ