羽豆(はず)神社  <時代>室町時代  <地域>知多
羽豆神社の全景 本殿

<所在地> 南知多町師崎(名鉄河和駅より名鉄バス 師崎下車徒歩5分)
<概要>
 知多半島の先端部である師崎(もろざき)地区は昔から尾張国の支配者との関係が深く,祭神は建稲種命(たけいなだねのみこと)で尾張氏の祖先とされている人物であることからも分かる。「延喜式」(えんぎしき)にも知多三座の一つとして名を連ね,その社殿こそ小さいものの祭典には勅使の奉幣があるなど,重要な官社としての待遇を受けていた。記録によれば,南北朝・室町・戦国時代には時の支配者によって度々改修が行われており,常に厚く信仰され豊かな土地を寄進されていた。一時,豊臣秀吉によって領地の没収が行われたものの,江戸時代には地元の有力氏族によって再び格式を維持することができた。その繁栄ぶりは「尾張名所図絵」にも記されている。
 また,羽豆神社には多くの社宝が残る。社殿改築の際に奉納された太刀や銅鏡,「仮名日本書紀」,源義経愛用といわれる横笛などである。中でも大野城主で三河守護職の一色道範(みちのり)が1408年(応永15)に寄贈した法華経八巻は県指定の文化財となっている。何度も補修されているものの,原形を推定することができ,室町時代写経の代表的な遺品であり,当時の上流武士の信仰を示す上で貴重な存在である。

<学習のポイント>
 半島の先端である師崎の海上交通における重要性を示す好例として紹介したい。 
<見学のポイント>
 羽豆神社の境内は古くから神域としてあがめられ,その社叢(しゃそう)は,1951年(昭和26)に国指定の天然記念物に指定されている。全域にウバメガシが繁茂し,枝のトンネルをくぐって本殿を見学することができる。
<参考資料>
 「南知多町誌」
<問い合わせ先・ホームページ>
 羽豆神社
 南知多町教育委員会 0569−65−0711 

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