法海寺(ほうかいじ)  <時代>平安時代  <地域>知多
法海寺山門 本殿

<所在地> 知多市八幡平井24(名鉄常滑線 寺本駅 下車徒歩10分)
<概要>
 地元では通称「寺本のオヤクッサン」と親しまれている天台宗の薬王山法海寺(ほうかいじ)は,知多半島では唯一寺院跡の遺構が確認されている古刹(こさつ)である。法海寺周辺は知多半島屈指の広い平地にあり,周辺の条理制(じょうりせい)遺構の存在や古代遺跡を背景に立地しており,昔からの勢力の強大さが想像できる。
 法海寺には天智天皇(てんじてんのう)の代の創建という寺伝が残り,発掘研究がこれまで幾度となく調査が行われてきた。その結果,弥生・古墳時代の貝塚の上に建つ古代寺院址であることが確認された。また,出土した古瓦の文様を細かくみていくと,白鳳(はくほう)・奈良・平安時代の特徴をもつものが確認され,現存する塔心礎石や藤原様式を思わせる仏像とともに,法海寺の歴史の古さを感じさせる。
 なお,知多半島には古代寺院として,美浜町の上野間から奥田にかけての地域にあったとされる奥田廃寺(おくだはいじ)がある。まだ本格的な調査は行われていないが,やはり白鳳・平安期の古瓦が出土し,この辺りが平城宮の木簡にみられる「野間里」(のまり)と考えられることから古代寺院址の存在が想像される。また,最近,東海市の名和町にあるトドメキ遺跡からも白鳳期の丸瓦や鴟尾(しび)も破片が出土し,更なる調査が待たれている。

<学習のポイント>
 奈良時代に聖武天皇が仏教の力を頼りに国を治めようとした鎮護国家政策の具体例として,地域に残る教材として取り上げたい。
<見学のポイント>
 寺宝に愛知県重要文化財等に指定されている仏画があり,毎年7月20日に公開している。
<参考資料>
 「知多半島の歴史」 「東海市史」
<問い合わせ先>
 知多市教育委員会 0562-33-3151
 東海市教育委員会 052-603-2211
 法海寺

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