半田市では,毎年3月下旬から5月初めにかけ市内15地区のそれぞれの氏神を中心に祭礼が行われる。そこでは豪華な山車(だし)が町を引き回される。総勢31台を誇る半田の山車がいつごろ生まれたのかは定かではないが,1755年(宝暦5)に作られた絵図によると,乙川(おっかわ)地区の4台の山車を引き回す様子が描かれており,また,
亀崎の潮干祭(しおひまつり)は応仁・文明年間(15世紀後半)ごろ荷車に竿を立てて幕を張りおはやしを伴って町内を引き回したのが始まりだとされている。各山車は非常に豪華けんらん
で,彫刻と幕が素晴らしい。また,からくり人形を持つものもある。最も古いものは亀崎地区の文政9年(1826)のものである。各地区の祭礼の時期が重なるため,なかなか一度に山車を見ることができないが,平成14年10月には,JR半田駅から市役所にかけての場所で市内の山車31台が勢ぞろいし,47万人の人出でにぎわった。