名古屋市役所本庁舎(なごやしやくしょほんちょうしゃ)  <時代>昭和時代  <地域>名古屋
名古屋市役所本庁舎 和風屋根の時計塔(名古屋市総務局総務課提供)

<所在地> 名古屋市中区三の丸三丁目1番1号(地下鉄名城線市役所駅下車,徒歩すぐ)

<概要>
  市役所駅の3番出口を出たところに,「日本趣味を基調とした近世式」いわゆる帝冠様式(ていかんようしき)の建物が2棟並んでいる。北側の時計塔が目立つ建物が名古屋市役所本庁舎で,南側の建物が愛知県庁本庁舎である。1933年(昭和8)に竣工した名古屋市役所本庁舎は,昭和天皇即位の御大典奉祝(おたいてんほうしゅく)記念事業として,建設することが決まった建物である。
  外観意匠は建築設計競技により,現在の愛知県豊山町出身の平林金吾の案が選ばれた。平林案を基に,名古屋市建築課の職員によって実施設計が行われ,1931年(昭和6)11月8日に着工された。この本庁舎は鉄筋鉄骨コンクリート造りで,地上5階,地下1階,塔屋5階の建物で,延べ床面積は257,324uである。外観の大きさは,時計塔頂部までの高さが53.5m,間口は正面81.7m,側面102.3mであり,建物の内部には,大理石で飾られた中央広間と中央階段,正庁,貴賓室(きひんしつ)など,見どころが数多くある。
  その歴史的な価値が認められて,隣の愛知県庁本庁舎と共に,1998年(平成10)に国の登録有形文化財に登録された。帝冠様式の建物が並んで建っている風景は,日本国内では唯一のものである。

<学習のポイント>
  昭和初期に建設された帝冠様式の建物を,日本の中でさがしてみよう。また,アジアの国々に帝冠様式の建築物があるか調べてみよう。帝冠様式をめぐる歴史的な背景,論争について整理してみよう。

<見学のポイント>
  最近では,テレビドラマや映画の撮影で活用されることも多く,建物の歴史的価値が高く評価されている。隣の愛知県庁本庁舎も併せて見学してみよう。

<参考資料>
  「官庁建築家・名古屋市建築課の人々とその設計」 瀬口 哲夫 著

<問い合わせ先>
  名古屋市総務局総務課管理係  052-972-2106

 愛知エースネットへ       トップへ