説教源氏節(せっきょうげんじぶし) <時代>江戸時代 <地域>尾張
|
|
説教源氏節記念碑 |
説教源氏節記念碑 |
<所在地> あま市西今宿(名鉄津島線甚目寺駅下車徒歩20分)
<概要>
説教節は,室町時代に成立し400年以上もの長きにわたって語り伝えられた民俗芸能である。江戸時代に全盛期を迎えるが,出発点から色濃くもった宗教色を捨てきれなかったため,都会の劇場音楽になりきることができず,説教節語りやその土地その土地の人々に語り継がれるだけの存在であった。「山椒太夫(さんしょうだゆう)」や「小栗判官(おぐりはんがん)」などの作品は,小説をはじめ様々な形で伝承されたが,元の形である説教節は忘れ去られた存在になってきている。現在は,東京都多摩・秩父(ちちぶ)地方,新潟県佐渡島などの限られた地域だけで語り継がれている。
甚目寺説教源氏節は,江戸浄瑠璃(じょうるり)に説教節が加わってできたもので,西今宿の庄屋であった中村伝吉(芸名
岡本美里太夫 おかもとみさとだゆう)を初代家元として広まった。現在は,地元の有志の方々が受け継ぎ上演している。そして,その記念碑が西今宿に設置されている。
<学習のポイント>
説教節は,室町時代以降に隆盛した大衆芸能であるが,江戸時代の他の芸能との関係や作品に表れた日本人の心を読み取ることができる。
<見学のポイント>
記念碑自体は西今宿の住宅地内にあるので,周辺を見学し,萱津宿や甚目寺観音など文化財の宝庫に民衆の心が伝えられたことを見て取ることができる。
<参考資料>
「民衆芸能 説教節集」「甚目寺町史」
<問い合わせ先>
あま市甚目寺歴史民俗資料館 052-443-0145
愛知エースネットへ トップへ