水郷の町・蟹江の川面に映える須成祭(すなりまつり)  <はじまり>室町時代  <地域>尾張
朝まつり 稚児行列

<所在地>  海部郡蟹江町須成冨吉建速神社・八劍社 (JR蟹江駅下車徒歩15分)
<概要>
 蟹江町では,8月の第1土曜日とその翌日にかけて須成祭が行われる。須成祭は全国に広く分布している「天王信仰」の一つで,その起源は,この土地の若者が芋の葉をかぶって,深夜にそっと海を渡り,津島神社の「神葭様」をお迎えしたことに始まるといわれている。したがって,「津島天王まつり」と似た部分もあるが,多度詣り・投げ花・ちまき投げ・鳥の子餅投げなど「津島天王まつり」とは異なった行事も多くみられる。
 昭和55年には県の無形民俗文化財に指定されている。 500年の伝統を誇る須成祭は,冨吉建速神社(とみよしたてはやじんじゃ)と八劍社(はっけんしゃ)を中心に行われる。両社は蟹江川にかかる天王橋のたもとに並んで建っている。
 まず,土曜日には宵まつりが行われる。宵まつりは「如意竹」といわれる檜の柱に月数をあらわす12個,円山には1年の日数の365個の提灯をともした巻きわら舟が,蟹江川をおよそ2時間かけて天王橋に向かっていく。翌朝の朝まつりでは,「投げ花」が行われる。10時頃になると舟の上から桜花や梅花に霧を吹きかけて枝を折って観衆に投げる。この枝を家に置くと夏を健康に過ごすことができると言われている。
 なお平成14年2月,国の記録作成等の処置を講ずべき無形の民俗文化財として選択された。 
<学習のポイント>
 津島祭りと同じく川祭りの一つである。津島祭りとの相違点を調べてみよう。  
<見学のポイント>
 全国でも珍しいはね橋もぜひ見てみよう。冨吉建速神社から蟹江川に沿って南へ下るとその橋がある。1年を通じて,須成祭の時だけはねあがる。
<参考資料>
「尾張の祭り」
<問い合わせ先>
蟹江町歴史民俗資料館 0567-95-3812

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