藤まつり |
曼陀羅寺は,密かに鎌倉幕府打倒に燃えた後醍醐天皇が,仏の力で幕府を倒そうとした祈願道場である。また,関ヶ原の戦いの前哨戦である岐阜攻めにあたり,東軍家康方の武将が,軍の評議を行ったことでも有名である。このような戦国争乱の世にあって,この寺がときの権力者たちとうまく結びつき,繁栄を続けた様子を調べるのも興味深い。また,「嫁見まつり」から「藤まつり」への変遷を調べるのも興味深い。 |
曼陀羅寺の「正堂」「書院」「銅鐘(どうしょう)」は国指定重要文化財である。特にまつり期間中は,「書院」にて宝物拝観が催され,織田・豊臣・徳川家から下付された古文書や秀吉の朝鮮出兵の際もたらされたという「銅鐘」などの宝物が一般公開される。また,県指定有形文化財の地蔵堂や県指定重要文化財の中将姫蓮糸曼陀羅図(ちゅうじょうひめはすいとまんだらず)がある。後者は平安時代,右大臣藤原豊成の娘中将姫の手で織られたものだが,これが尾北地方で織物が盛んになった由来とされており,大変興味深い。 |