木造薬師如来像 印内薬師 (もくぞうやくしにょらいぞういないやくし)  <時代>平安時代  <地域>西三河
印内薬師(桜井神社の西隣 薬師堂)

<所在地> 安城市桜井町桜林  (名鉄西尾線 堀内公園駅下車 徒歩10分)
<概要>
  この像は元は桜井神社の神宮寺に伝えられたもので,市内最古の木像である。寄木造(よせぎづくり)で柳葉状の細い目,肉付きの豊かな頬,衣の形やしわを表すなだらかな線などは,定朝(平安時代中期の仏師)の様式を残している。一方,小さく刻まれた螺髪(らほつ)や顔の長さを短くとるなど新しい要素もみられ,藤原時代末期(12世紀ごろ)の作と判断される。左手首差込部には「森仏師宮田再興仕候」と墨書があるところから室町時代に補修したことが分かる。 
<学習のポイント>
  仏像様式の違いを考えていく上で,寄木造での具体例として挙げられる。 
<見学のポイント>
  近くにある桜井神社には,関流和算の大家,藤原貞資(ふじわらさだすけ)の門人である松崎行乗(まつざきゆきのり)が奉納したものなど算額が2面あり,県の民俗文化財に指定されている。
<参考資料>
  「愛知県の歴史散歩」「安城市文化財図録」
<問い合わせ先>
  安城市教育委員会生涯学習部文化財課 0566-77-4477

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