三河国分尼寺跡　　　　＜時代＞奈良時代　　＜地域＞東三河
復元された中門
＜所在地＞豊川市八幡町忍池108（名鉄名古屋本線国府駅下車徒歩25分）
＜概要＞
　国分尼寺（こくぶんにじ）は，奈良時代の741年（天平13）聖武天皇が発した「国分寺建立の詔」により，諸国に国分寺と共に建てられた。 三河国分尼寺跡は，三河の国の国衙（こくが）に近い八幡台地の東北端にあり，景観もよく，水害の心配がない等，寺域選定の条件を十分に満たしている。 1967年（昭和42）の発掘調査の結果，金堂の礎石（そせき）などが発見され南北一直線に並ぶ伽藍配置（がらんはいち）が確認されている。 寺域の広さはおよそ150㎡に及び，全国の国分尼寺跡の中では最大級の規模である。 また南の中門から北の講堂へつながる複式回廊（ふくしきかいろう）は他に例がなく珍しい。 現在、豊川市では、朱塗りの中門と回廊の一部を復元するとともに、この国分尼寺跡を史跡公園として整備して平成17年11月にオープンした。

＜学習のポイント＞
　奈良時代の中心である聖武天皇が，仏教の力に頼りその加護により国を治めようとした鎮護国家（ちんごこっか）思想の具体例として三河国分寺・国分尼寺跡を取り上げたい。

　 ＜見学のポイント＞
　三河国分尼寺は，平安時代末期ころには荒廃したと考えられ，現在その寺域には清光寺（せいこうじ）という曹洞宗のお寺が建っている。 境内の南にある竹藪の中に発見された金堂の礎石を見ることができ，伽藍配置を示す看板などがある。

＜参考資料＞
　「豊川市史」・「愛知県の歴史散歩」・「豊川の歴史散歩」・「図説東三河の歴史」

＜問い合わせ先＞

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