熊谷家(くまがいけ)<時代>江戸時代  <地域>東三河
熊谷家 屋根裏の様子

<所在地> 豊根村大字上黒川字老平12(豊川ICより国道151号を車で約2時間,JR飯田線東栄駅下車町営バス〔東栄駅〜本郷〕村営バス〔本郷〜老平〕下車)
<概要>
 熊谷氏は家伝によると,初代熊谷玄蕃が信濃国より土着して黒川を拓いたといわれている。熊谷家の建築年代は,熊谷家文書によると18世紀の初頭であると推定される。建造当初の建築様式や生活様式を残しており,昭和49年には母屋,穀倉,新倉が重要文化財の指定を受けている。
屋敷構えは母屋を東向きに構え,門は屋敷中央前に屋根門があったが,現在は棟門となっている。門の左に新倉・穀倉土蔵があり,母屋の北に納屋倉庫がある。醸造業を営んでいた時代には多くの付属室があった。
 熊谷家の特徴は柱の間の寸法が7尺5寸(225p)を単位としており,通常の6尺・6尺3寸の単位とは異なっている。間取りは「古六間取り」と呼ばれ,一般の民家にはみられず,格式ある武家住宅にみられる間取りである。また,茅葺きの屋根は「入母屋造り(いりもやづくり)」で,上部は二方向,下部は四方を茅葺き屋根が覆うつくりとなっている。
 
<学習のポイント>
 熊谷家の部屋のつくりや間取りなどから江戸時代の人々の生活の様子を考えよう。また,中馬街道の脇道としての重要な道番所でもあったことを押さえたい。 
<見学のポイント>
 部屋のつくりでは,高い天井とその天井の隅にある排気口が特徴である。また,屋根裏では,茅葺き屋根が丸太にしっかりと縛り付けられてあるのを見ることもできる。
<参考資料>
 「国指定重要文化財 熊谷家」 「豊根村史」
<問い合わせ先>
 豊根村教育委員会 0536−85−1311 

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