豊橋市公会堂 (とよはししこうかいどう)  <時代>昭和時代  <地域>東三河
豊橋市公会堂全景 ドーム部分

<所在地>豊橋市八町通2−22(豊橋鉄道市内線市役所前電停下車)  
<概要>
 豊橋市公会堂は,豊橋市制施行25周年に当たる1931年(昭和6)に天皇即位の御大典奉祝祈念として竣工(しゅんこう)した。大正デモクラシーの影響で豊橋でも大正から昭和初期にかけてさかんに集会が開かれたが,適当な施設がなく,市民の熱望で建設が決まったともいわれる。
 正面の大階段,玄関の巨大なアーチをもつコリント式列柱,16mの高さがある左右の半球ドームが特徴的で,市内の鉄骨鉄筋コンクリート造りの近代的建築物の発祥とされる。レトロで重厚な存在感のある建物である。設計者は,浜松市出身の中村與資平(なかむらよしへい)で,彼はこのほかに静岡市庁舎本館や静岡銀行本店などを手掛けた。全体としてロマネスク様式であるが,半球ドーム屋根のモザイクタイルなどに中近東風の要素ももつ。1998年(平成10)に国の登録有形文化財となった。現在も市民の催しや発表の場として,利用されている。
 この地にはかつて藩校時習館があり,石碑が残る。

<学習のポイント>
 大正デモクラシーの風潮の身近な事例として考えてみよう。軍都として,また,製糸業で活気のあった豊橋の状況について理解を深めよう。また,ロマネスク様式,イスラム装飾の身近な事例として活用しよう。
<見学のポイント>
 正面玄関のアーチをもつ列柱や,半球ドーム屋根のモザイクタイル,ドーム脇の4羽のワシの躍動感を実感しよう。行事開催の場合は内部に入れないことがあるので,見学希望の場合は,必ず事前に問い合わせる。
<参考資料>
 「豊橋市公会堂案内」 「愛知県の歴史散歩」 「図説東三河の歴史」
<問い合わせ>
 
豊橋市公会堂 0532-51-3077

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