エクササイズ集
● 知識を身に付けつつ,自他の理解を深め,価値観を形成するエクササイズ 1 ● |
〜 「何が非行なのか?」 〜
■ 準備 ・ ワークシート「何が非行なのか?」 ・ フラッシュカード@「非行少年の分類」 ・ フラッシュカードA「非行後の長いドラマ」 ・ 振り返り用紙 ■ ねらい ・ どのような行為が非行となり,処分の対象となるのかを各自が考え,さらにグループで意見交換することによ って,非行に関する知識を身に付ける。 ・ 「道徳的に悪いこと」と「法的に悪いこと」が必ずしも一致しないことや,善悪の基準が人によって違うこと などを理解する。 ・ 他の人と意見を交わすことで自己理解・他者理解を深め,感受性の促進を行う。 ■ 実施できる時間 ・ 地理歴史科・公民科の授業(内容的には公民科で扱うのがよい) ・ LT(1年生の1学期,とくに夏休み前などに行うのがよい) ■ 展開例 1 導入 @ これから非行を考える活動をすることを伝え,その目的を説明する。 A フラッシュカード@「非行少年の分類」を示しつつ,少年法の規定に基づいた「非行」の定義を説明する。 その後,フラッシュカードA「非行後の長いドラマ」を示しながら,非行を犯してしまった場合には,どの ように処遇されるかを説明する。 2 展開 @ ワークシートに記されている10個の行動例を,各自で「悪くないこと」「悪いこと」「悪いことの中でも 非行(犯罪)になること」の三つに分類し,それぞれの場所に記入する。(3分間) A 四人のグループを作り,グループでの話し合いによって,あらためて10個の行動例を三つに分類する。 (15分間) B 話し合って分類した結果を,各グループがそれぞれ発表する。 C 正しいと思われる一応の分類と,特に法律に照らしてみて「悪いことの中でも非行(犯罪)になること」 を発表する。 3 まとめ @ 各グループの発表した内容を比較しながらまとめる。その際,善悪の基準は人によって多少異なっているた め話し合って分類するのは意外と難しいことを挙げ,価値観の違いを考えさせるとともに,他者理解を促す。 また,甘い認識で行ったことが,「重大な結果=非行(犯罪)による処罰」となってしまう可能性があること を指摘し,意識させる。 A 各自で「振り返り用紙」を記入した後,グループで今日の活動の感想を述べ合う。参考文献 國分康孝監修 押切久遠著『非行予防エクササイズ』(図書文化社)
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