エクササイズ集

●　　　　知識を身に付けつつ，自他の理解を深め，価値観を形成するエクササイズ　３　　　　●

〜 「断る勇気」　〜

■　準備
　・　ワークシート「断る勇気」
　・　振り返り用紙
■　ねらい
　・　非行に誘われた場面を想定し，断り方を検討し練習することで自己主張的な行動（断り方）を習得する。
　・　悪い誘いであれば，相手の気持ちを考えることは必ずしも必要ではなく，相手につけこまれないように，きっ
　　ぱりと断ることの重要性を知る。
■　実施できる時間
　・　地理歴史科・公民科の授業（内容的には公民科で扱うのがよい）
　・　ＬＴ（１年生の１学期，とくに夏休み前などに行うのがよい）
■　展開例
　１　導入
　　エクササイズの目的を説明する。
　２　展開
　　�@　ワークシートを配布し，教師が場面設定「万引きの見張りを頼まれる場面」を読み上げる。
　　�A　七つの答え方を感情を込めながら読み上げる。
　　�B　答え方を分類してみる。各自で七つの答え方を，よい（自己主張的）答え方と悪い（自己主張的ではない）
　　　答え方とに分類し，ワークシートに記入する。
　　�C　四人一組のグループを作り，話し合う。それぞれのグループで，最もよい（自己主張的）答え方を決め，
　　　その理由も含めて考えてみる。
　　�D　話し合った結果を発表する。各グループの発表のポイントは板書する。
　　�E　答え方についてグループの発表を受ける形でまとめ，自己主張的な答え方のポイントを解説する。また，
　　　自分が非行に巻き込まれそうになった場合は，その後どうなるかを考え，友達関係を絶つくらいの断固とした
　　　行動をとることもやむを得ないこともあることを述べ，生徒にきっぱりと断ることの大切さを伝える。
　　�F　各自で"きっぱり断る言葉"を考え，グループ内で披露し合う。
　３　まとめ
　　・　「誘われたからといって悪いことをしてしまえば，その責任は自分にはね返ってきます。『本当はやりたく
　　　なかったたんだけど』という言い訳は通用しません。後で後悔しないためにも，悪い誘いはきっぱり断れるよ
　　　うにしましょう。」
　　・　「自ら進んで悪いことをしないことは当然です。でも，自分はする気はないのに悪いことに誘われてしまう
　　　こともあるかもしれません。そのときには『自分は嫌だ！』『やりたくない！』という気持ちを"はっきり""き
　　　っぱり"と伝えることが必要です。そうした《正しい自己主張》が必要なのです。これはさまざまな"よくない
　　　勧誘"を受けたときにも同様です。そうした自分自身を守る『断る勇気』が必要なのです。」
　　・　各自で「振り返り用紙」を記入した後，グループで今日の活動の感想を述べ合う。

参考文献　國分康孝監修　押切久遠著『非行予防エクササイズ』（図書文化社）



ワークシート「断る勇気」

【場面設定】
　あなたは，いつも遊んでいる友達と本屋に行きました。本屋に着くと，その友達はあなたに「ここの本屋っ
てガードが甘いから結構簡単に盗れるらしい。ちょうど欲しいマンガがあって，金出すのも惜しいから，
（盗みを）やってみよう。俺が盗るから，お前はそこで見張ってくれ。」と万引きの見張りをもちかけられま
した。

【質問】
☆次にいろいろな答え方をあげました。「よい答え方」と「悪い答え方」に分類してみましょう。


Ａ「俺も欲しいのがあったんだ。ついでに頼む。見張っているから！」と積極的に見張りをする。

Ｂ「（気が進まないけど…，）君がそういうなら仕方ないか…」としぶしぶ協力する。

Ｃ「やってもいいけど，もし見つかっても，俺が見張りしていたこと言わないでよ。」と自分には被害が及ば
　ないようにして協力する。

Ｄ「そんなこと考える人とは思わなかった（怒）！やりたければ一人でやればいいじゃないか（怒）！」と言
　って怒って別れる。

Ｅ「そりゃいけないよ。やめようよ。マンガはちゃんと買うか，我慢するか，それとも誰かに借りようよ。」
　と止める。

Ｆ「俺もあのマンガ欲しいけど，マンガのために捕まりたくない。やめとこうよ。」と止める。

Ｇ「"弱い"と思われるかもしれないけど，そうゆうのは絶対やらないと親と約束しているから…」と断る。






よい答え方　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
















悪い答え方　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



















☆　きちんと断らないと「こいつは断れない人間だ」と思われて，無理に押し付けられてしまい，不本意なが
　ら悪いことに巻き込まれてしまうことがあります。断るべきときはきちんと断ることが大切です。下の欄に，
　上記の【場面設定】のような状況での，自分なりの "きっぱり断る言葉"を考えて書いてみましょう。








振り返り用紙（「断る勇気」）

　　　　　　　　　　　　　　科     年　　　組　　　番　氏名　　　　　　　　　　　　　　　　


１　今日の授業を通して，「断る勇気」の必要性を学べましたか。
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　学べなかった1           2           3           4学べた


２　今日の授業を通して，非行に誘われたときの断り方（自己主張的な対応）を学べましたか。

　　　　　　　　　　　　　　　学べなかった1           2           3           4学べた


３　グループでの活動に参加することができましたか。

　　　　　　　　　　　　　　  できなかった1           2           3           4できた


４　あなたの考えた"きっぱり断る言葉"はどのようなものでしたか。もう一度記入してください。





５　グループで行ったロールプレイで，それぞれの役をやって感じたことを書いてください。


頼む役

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


断る役

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


見張る役　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　




６　この授業はあなたのためになりましたか。

　　　  　　　　　　　　ためにならなかった1           2           3           4ためになった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
７　この授業は楽しかったですか。
　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　楽しくなかった1           2           3           4楽しかった

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
８　この授業の感想を書いてください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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