RIS(Remote Installation Services)の利用について(3/3)


6.LANブートについて

PXE(Pre-Boot Execution Environment)リモートブートROMを内蔵している場合
(1)クライアントコンピュータの電源投入後〔F12〕キーを押して,LAN BOOT起動を選択します。
        ※機種によっては,BIOSで設定してください。
(2)『Press F12 for network service boot』と表示されたら〔F12〕キーを押すと,『Client Installation Wizard』の画面になります。
RISブートフロッピーディスクを使用する場合
(1)RISブートフロッピーディスクを挿入して,クライアントコンピュータの電源を投入します。
(2)しばらくして,『Press F12 for network service boot』と表示されたら〔F12〕キーを押すと,『Client Installation Wizard』の画面になります。
RISブートフロッピーディスクに対応していないLANアダプタを使用した場合
(1)次のようなエラーメッセージが表示されます。

7.RISによるWindows 2000 professionalのセットアップ

(1)LANブートで起動ができると次のような『Client Installation Wizard』の画面が表示されるので,〔Enter〕キーを押してセットアップを開始します。
(2)User name:[          ]でadministratorと入力し,Password:[          ]でadministratorのパスワードを入力してから,Domain name:[          ]でドメイン名を入力します。
(3)以後メッセージが表示され,すべて〔Enter〕キーを押すとインストールが開始されます。
(4)RISブートフロッピーディスクを使用した場合,ディスクを取り出します。
(5)ファイルのコピーが終了すると再起動します。
(6)Windows 2000 Professionalのセットアップが開始されるので,名前,組織名及びプロダクトキーを入力し,〔次へ〕をクリックします。
(7)インストールが終了すると再起動し,ログオン画面になります。

8.クライアントのイメージ作成

RISでは,OSのインストールだけでなく,OSとインストールされているアプリケーションを含むイメージが作成できます。ただし,次の制限があります。

この制限に問題がなければ,クライアントパソコンのイメージをサーバに作成することができます。
また,同じ機種でライセンスに問題がなければ,1台のセットアップが完了したクライアントパソコンを作成することによって,複数台のクライアントパソコンのセットアップが簡単に完了します。

(1)〔マイネットワーク〕から〔RISサーバ〕を探し,REMINST\Admin\i386\riprep.exeを実行します。
(2)〔リモートインストールの準備ウィザード〕が表示されるので〔次へ〕をクリックします。

(3)RISサーバ名を入力して〔次へ〕をクリックした後,RISサーバ上に作成するフォルダ名を入力して〔次へ〕をクリックします。

(4)インストールイメージの説明とヘルプテキストを入力し〔次へ〕をクリックすると,次のようなメッセージが表示されるのでプログラムを終了,またはサービスを停止します。
          ※imejpmgr.exeは停止できません
(5)プログラムの終了,サービスの停止が完了したら〔次へ〕をクリックすると,設定の確認画面が表示されるので,確認をして〔次へ〕をクリックします。
(6)準備ウィザードの完了画面が表示されるので〔次へ〕をクリックすると,RISサーバへファイルのコピーが開始され,RISサーバにイメージが完成すると再起動します。
※イメージの作成時にクライアントパソコン固有の属性が除去されるため,再起動後,ミニセットアップが開始されます。
(7)ミニセットアップが開始され,プロダクトキーなどを入力後完了します。

9.イメージのダウンロード

基本的にRISによるWindows 2000 professionalのセットアップと同様の手順になります。

(1)LANブートで起動し『Client Installation Wizard』の画面が表示されるので,〔Enter〕キーを押してセットアップを開始します。
(2)User name:[          ]でadministratorと入力し,Password:[          ]でadministratorのパスワードを入力してから,Domain name:[          ]でドメイン名を入力します。
(3)イメージファイル一覧が表示されるので,選択して〔Enter〕キーを押し,以後のメッセージは,すべて〔Enter〕キーを押すとインストールが開始されます。
(4)RISブートフロッピーディスクを使用した場合,ディスクを取り出します。
(5)ファイルのコピーが終了すると再起動します。
(6)Windows 2000 Professionalのセットアップが開始されるので,名前,組織名及びプロダクトキーを入力し,〔次へ〕をクリックします。
(7)インストールが終了すると再起動し,ログオン画面になります。

10.おわりに

Windows 2000 serverの機能であるRISを紹介しましたが,最近のパソコンでは,ほとんどの製品がLANアダプタを内蔵しており,PXE(Pre-Boot Execution Environment)リモートブートROMを内蔵しているので実現は簡単です。しかし,旧式のパソコンでLANアダプタを内蔵していない場合は,ブートフロッピー対応のLANアダプタが旧式のため,入手が困難で実現は難しくなります。
ノートパソコンでも,LANアダプタが,本体に内蔵されている場合は,BIOSの設定でLAN起動を選べば実現可能ですが,後付のカード式LANアダプタでは,ほとんどの機種が対応していないため実現の可能性は低くなります。
Windows Server 2003では,ブートフロッピー対応のLANアダプタの種類も増え,対応OSも増えているため,LANアダプタを内蔵していない旧式のパソコンでの導入にはWindows Server 2003を利用する方が良いでしょう。