本題材では,生徒に住まいの学習に対する興味・関心をもたせ,課題を設定させるために,まず日本各地の住まいの写真を見せた。そして,そこに住まう人々が気候に合わせてどのような住まい方の工夫をしているかに気付くことで,家族のより快適な住まい方について課題追究をさせたいと考えた。しかし,生徒たちは住み慣れた住まいや今の生活様式を当たり前と思い,問題点を見付けることは困難であった。また,より快適な生活を求めようとすると,「建て替え」「リフォーム」を思い浮かべ,住まい方の工夫に結び付けることができなかった。そこで,「人と環境とダニ」のビデオを視聴したり,家族へインタビューさせたりすることで,自分や家族の住まい方を見つめ直させ,住まいの問題点をとらえさせることにした。
住まいにかかわる諸問題については,本やインターネットを使って調べさせたり,人に聞いたりさせた。また,自分にできることは実際に試してみる実践的・体験的学習を進めることを心掛けた。さらに,追究したことをお互いに紹介し合うことで,少しの工夫でも快適に住まうことができると実感させたい。この学習が家庭分野でねらう「生活をよりよくしようとする能力の育成」につながり,将来住宅や住環境を創る者としての素地になるであろうと考える。
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