草花の寄せ植え>>題材の構成

2 題材の構成

  題材『草花の寄せ植え』について

 春先に園芸店やホームセンターの園芸コーナーに立ち寄ると,美しい花を付けた小さなポットに入った多種多様な苗が所狭しと置かれている。また,園芸用品の品ぞろえも大変充実していることに気が付く。現代を生きる人たちにとって草花を育てることは,生活をより豊かにするだけでなく,心を和ませ精神を安定させたり,生き物をいとおしみ大切にしていったりすることにもつながっていると感じる。
 今の子供たちは,学校でも家でもストレスがたまることが多い。また,少子高齢化・核家族化に伴い,子供たちの身近に幼児や高齢者がいない場合が多く,自分が手助けをしたり面倒を見たりする経験も非常に乏しくなっている。都会に住む子供たちは,生き物を育てる経験も少ない。そんな子供たちにとって動物や植物を育てることは,心が和み,生命をいとおしみ,優しさを表出できる大変重要なことであり,ぜひ経験させていきたいと考える。
 技術・家庭科の栽培では,「基礎的な栽培技術を身に付けさせるとともに,計画的・合理的に育てる」ことが必要である。草花を複数選び,寄せ植えの栽培を計画させることにより,子供たちは,幾つかの草花の「成育過程」や「環境条件」を調査することになる。この調べ学習を通し,それぞれの草花の違いや共通点を自ら発見し,よりよい栽培方法を考えたり工夫したりすることにつながると考えた。また,生育条件以外にも,色合い,草丈,ボリュームといった要素を考え,見た目にも様々な工夫ができ,個性の表出につながる。そして,自分の寄せ植えの世話をし,成長を見つめ続けていくことにより,自分の寄せ植えにより深い愛着がもてるのではないかと考えた。
 寄せ植えは,14種類の草花の苗から,2〜4本の草花を,鉢やプランターは8種類から1個を自由選択とした。肥料やわき芽・花殻摘みなどは栽培計画に基づき,各自で行うこととし,灌水は簡易スプリンクラーを設置し自動灌水とした。このようにすることで,狭い場所でも,少ない授業時間でも,手軽で確実に栽培の授業が行えると考えた。

 

草花の寄せ植えの写真

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