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平成25年度実施学習指導要領 共通教科「情報」:改訂のポイント

科目構成

現行の「情報A」「情報B」「情報C」の内容が再構成された。情報Aが発展的に解消され,情報C,Bを継承する新しい2科目 「社会と情報」「情報の科学」 が新設された。

必履修科目と
標準単位数

「社会と情報」(標準単位数 2単位),「情報の科学」(標準単位数 2単位)のうちから1科目を選択必履修する。

履修について

原則として同一年次で履修させる。

選択について

いずれの科目も設定して生徒が選択できるようにすることが望まれる。

情報教育の
目標

情報教育の目標の「情報活用の実践力」,「情報の科学的な理解」,「情報社会に参画する態度」の3つの観点をバランスよく身に付けさせる学習内容を,より一層重視する。

主な改善事項
  • 情報社会を構成する一員として,社会の情報化の進展に主体的に対応できる能力と態度を育成する観点から,情報教育の目標の3観点のうち,「情報社会に参画する態度」や「情報の科学的な理解」を柱に科目の内容が改善されている。
  • 情報活用能力を確実に身に付けさせるために,小・中・高等学校を通じた体系的な情報教育の指導内容を踏まえ,一部を重複させるなどして指導をより一層充実させている。
  • 内容に情報モラルを項目立てし,情報モラルを身に付けさせる学習活動を重視している。
実習時間

現行では,原則として「情報A」は総授業時数の2分の1以上を,「情報B」及び「情報C」では総授業時数の3分の1以上を実習に配当するよう定められていた。新しい学習指導要領では,情報活用能力を確実に身に付けさせるために,情報手段を活用した実習を「積極的に取り入れること」という表記に変更された。各学校の実情に応じて適切に設定することができる。


共通教科「情報」:各科目の改訂のポイント

社会と情報
  • 情報を収集し,分析し,表現する学習活動や効果的なコミュニケーションを行うために情報機器や情報通信ネットワークを適切に活用する学習活動をより一層重視している。
  • 情報の特徴や情報化が社会に及ぼす影響を理解させるとともに,情報モラルを身に付ける学習活動をより一層重視している。
情報の科学
  • 問題解決を行うために情報と情報技術を効果的に活用する学習活動やそのために必要となる科学的な考え方を身に付ける学習活動をより一層重視している。
  • 情報社会を支える情報技術の役割や影響を理解させるとともに,情報モラルを身に付ける学習活動をより一層重視している。

専門教科「情報」:改訂のポイント

科目構成 以下のように、11科目から13科目へ再構成された
基礎的科目(各分野に共通)
各学校においては,いずれの分野の学習を目指す生徒に対しても,基礎的な科目の学習が重要であることを十分考慮に入れた教育課程を編成することが望ましい。
情報産業と社会 情報の表現と管理
情報と問題解決情報テクノロジー

システムの設計・管理分野
進路希望等に応じて選択する応用選択的科目である。その際,「情報システム実習」は,各分野の他の専門科目で個別に学んだ知識と技術を情報システムの開発などの実習を通して,総合的に活用することができるようにすることをねらいとしている科目であり,各分野の学習に当たっては,こうした科目のねらいを十分踏まえることが重要である。
アルゴリズムとプログラム ネットワークシステム
データベース情報システム実習

情報コンテンツの制作・発信分野
進路希望等に応じて選択する応用選択的科目である。その際,「情報コンテンツ実習」は,各分野の他の専門科目で個別に学んだ知識と技術を情報コンテンツの開発など の実習を通して,総合的に活用することができるようにすることをねらいとしている科目であり,各分野の学習に当たっては,こうした科目のねらいを十分踏まえることが重要である。
情報メディア 情報デザイン
表現メディアの編集と表現情報コンテンツ実習

総合的科目
他の専門科目の内容と関連付けて実践的な内容を取り扱う総合的な科目である。
課題研究


各科目の関係図
新設された科目
情報と問題解決
情報の各分野にかかわる産業や社会の様々な活動において,情報や情報手段を活用した問題の発見から解決までの過程において必要となる基礎的な知識と技術を習得させるとともに,実際にそれらを活用し,問題解決の過程と結果を評価する能力と態度を育成することをねらいとして新設された。
情報テクノロジー
情報産業を支える情報技術の基礎的な知識と技術を確実に身に付けさせ,情報の各分野における学習の基盤として,コンピュータ等を活用した実習などを通して実際に適切かつ効果的に活用できるよう,実践的な能力と態度を育成することをねらいとして新設された。
データベース
データベースシステムを開発するために必要となるデータベースに関する基礎的・応用的な知識と技術を習得させ,実際に活用する能力と態度を育成するとともに,データベースシステムの設計や運用管理に携わる人材の育成を図る視点から,知識と技術の習得だけでなく,データベースの設計などの体験的な学習活動を通して,情報の質や信頼性を確保することができる実践力を高めることをねらいとして新設された。
情報メディア
情報コンテンツの制作・発信を適切に行うために必要となる情報メディアの特性等を理解させ,実際に適切かつ効果的に活用できるように,実践的な能力と態度を育成することをねらいとして新設された。
削除された科目
情報実習
現行の内容については,改訂後の各科目の内容に盛り込まれ,削除された。
モデル化とシミュレーション
現行の内容については,新設科目「情報と問題解決」の内容として位置付けられ,削除された。
整理統合された
科目
表現メディアの編集と表現
現行の「図形と画像の処理」と「マルチメディア表現」については,情報コンテンツの制作・発信分野を担う情報技術者に求められる情報メディアの編集と表現にかかわる理論と技術の習得,実習などの体験な学習活動を通して実際に適切かつ効果的に活用できるように,実践的な能力と態度を育成することをねらいとし「表現メディアの編集と表現」に整理統合された。
名称が変更された
科目
情報の表現と管理
現行の「情報と表現」については,情報の収集・整理・加工・伝達という情報活用の過程で,情報を目的に応じて整理し,表現すること,情報の価値を理解し適切に管理することに必要な知識と技術など,情報技術者として情報を適切に取り扱うための基礎的な能力を育成することとし,名称が変更された。
アルゴリズムとプログラム
現行の「アルゴリズム」については,アルゴリズムをコード化しプログラムを作成する実習などの学習活動を行うとともに,アルゴリズムをコード化する枠組みとしてのプログラム言語の役割とその仕組みの理解を図ることが大切である。さらに,実際的な事例を通してアルゴリズムの効率性を考えさせるなど,生徒の論理的な思考力を育成することとし,名称が変更された。
情報デザイン
現行の「コンピュータデザイン」については,情報コンテンツの制作・発信分野を担う情報人材に求められる,情報デザインにかかわる理論や技術の習得に重点を置くこととし,名称が変更された。
情報システム実習
現行の「情報システムの開発」については,情報システムを開発するために必要な各開発工程の内容とその役割を理解させ,ユーザが求める情報コンテンツを企画・提案し,制作するために必要な知識と技術や表現力を習得させることをねらいとしていたが,これに加え,情報システムの開発実習という実践的・体験的な活動を通して,システムの設計・管理にかかわる能力と態度を総合的に育成することをねらいとして,名称が変更された。
情報コンテンツ実習
現行の「マルチメディア表現」については,情報コンテンツを開発するために必要な各開発工程の内容容とその役割を理解させ,ユーザが求める情報コンテンツを企画・提案し,制作するために必要な知識と技術や表現力を習得させることをねらいとしていたが,これに加え,情報コンテンツの開発実習という実践的・体験的な活動を通して,情報コンテンツの制作・発信にかかわる能力と態度を総合的に育成することをねらいとして,名称が変更された。