「雨蛙」(野口米次郎)


  「雨蛙」は、大正11年(1922)刊行の詩集『沈黙の血汐』に収録されている。この詩では、窓から見える雨蛙を眺めながら、病気で死んでしまった子供のことを回想している。
 また『沈黙の血潮』について、作者野口米次郎は、「これまでの邦語詩は自分で書いた英詩の翻訳であったり、またその延長であったが、本詩集において私が真実の意味で、 いわゆる百尺竿頭一歩を進めたというならば、私が表徴詩の象牙の塔を出でて人生の街頭詩に立つに至ったからである。私は草稿紙へぶっつけに邦語で書いたのは本詩集で はじまっている」と言っている。

     

教材化のヒント

「雨蛙」は、野口の他の詩と違って、芸術論が盛り込まれておらず、力みがない。また自身の亡くした子のことを題材にしながらも、ユーモアを感じさせる。
 野口米次郎は欧米時代には、「象牙の塔」の中で書いた「表徴詩」が多く見受けられるが、帰国してしばらくたつと「人生の街頭」に立って書いたと言えるような詩風に変化していく。そのことを典型的な二編の詩を通して鑑賞させたい。



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 作者 野口米次郎

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