「新児童文化」第3冊 (昭和16年 1941) に発表された作品。<久助君もの>と呼ばれる作品群の中の一つ。新美南吉の「久助君の話」「川」「嘘」など一連の作品には、「久助君」と呼ばれる同一の登場人物が登場し、<久助君もの>と呼ばれている。「嘘」は、嘘ばかりつく転校生太郎左衛門の言動を久助の目を通して語った作品。


     
   


教材化のヒント

 主人公の久助が、嘘ばかりつく転校生の太郎左衛門の言動に対し、疑問をもちながらも拒絶できずに振り回され、しかし、それでも結局は太郎左衛門を受け入れていくというこの物語は、人が子供から大人へと成長する過程で越えなければならないことの一つを学ばせるという点で、格好の教材となり得る。
 久助の目を通して語られているので、自然と生徒は自分と久助を重ね合わせ、自分自身の経験した出来事を思い出し、その時の自分の気持ちや行動と久助のそれとを比較する。それにより人間の幅を広げさせられたらと思わせる作品である。また、「久助君もの」と呼ばれる一連の作品群へと生徒の興味を広げ、それぞれの作品で久助が成長過程で得るものを学ばせることも可能である。


「嘘」のページ

 作者 新美南吉

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