善導寺と元寇(ぜんどうじとげんこう)  <時代>鎌倉・室町時代  <地域>知多
善導寺 全景

<所在地> 東浦町緒川(JR緒川駅徒歩10分)

<概要>
 東浦町緒川にある善導寺は,正式には海鐘山善導寺と号し,浄土宗鎮西派に属する。
 寺伝によると1443年(嘉吉3)に音誉聖観の開創である。しばしば高潮の被害にあっており,しばらくは荒れるに任されている状態であったが,1605年(慶長10)に緒川城主水野分長が現在の山手の八幡社前に新築移転し,寺領を与えた。善導寺には徳川家康の生母である於大の方とその子家康の位牌が仲良く納められている。
 なお,本寺には県指定文化財になっている異国降伏祈願施行状が伝えられている。鎌倉時代,幕府は元寇後も30年にわたって,広く全国の社寺に敵国降伏の祈祷を命じた。この文書は1300年(正安2)に佐衛門尉(さえもんのじょう)が宝蔵寺宗徒に宛てたものである。この年の祈願に関する施行状としては唯一現存する原本である。

<学習のポイント>
 元寇が当時の日本に与えた影響の大きさを示す好例として,また,江戸幕府の創始者徳川家康と緒川地区の深い関係を示す好例として取り上げたい。 
<見学のポイント>
 善導寺に隣接する越境寺の奥庭には,隠れ切支丹の礼拝した切支丹灯籠がある。傘を支える円柱には十字架模様がある。寛文年間には尾張藩で切支丹弾圧があったという。ちょっと足をのばせば,於大の出生氏族水野家の菩提寺である乾坤院(けんこんいん)も近い。
<参考資料>
 「東浦町誌」 「東浦町勢要覧」
<問い合わせ先・ホームページ>
 善導寺
 東浦町教育委員会 0562−83−3111

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