常楽寺と徳川家康(じょうらくじととくがわいえやす)  <時代>江戸時代  <地域>知多
常楽寺 全景 阿弥陀如来立像(国指定重要文化財)

<所在地> 半田市東郷町2-41 (名鉄河和線 成岩駅 下車 徒歩15分)

<概要>
 半田市東郷町にある浄土宗常楽寺は,1484年(文明16)に空観栄覚上人によって開かれた知多随一の巨刹である。
 常楽寺は,第八世の住職典空顕朗上人が徳川家康の従兄弟でもあることから,家康と縁が深い。記録によれば家康は三度来訪している。1560年(永禄3),桶狭間の戦いの後に三河にもどる際に常楽寺に立ち寄っている。また1582年(天正10)に本能寺の変で織田信長が倒された際,大阪の和泉にいた家康は軍勢を集めるために急きょ帰国したが,伊勢,四日市を経て船で知多半島にわたり常楽寺へ立ち寄っている。三度目は1589年(天正17)に,三河から常楽寺を訪ねている。寺院の屋根瓦には三つ葉葵の御紋が使われ,家康の位牌の他,御三家であった尾張藩歴代藩主の位牌も納められている。
 寺宝としては,国の重要文化財に指定されている常楽寺本尊の阿弥陀如来立像には1263年(弘長3)の墨書があり,円覚作とされている。本体の修復が少なく,鎌倉時代の特色をよく表している。

<学習のポイント>
 江戸幕府の創始者徳川家康が,天下統一を進める過程での地域とのつながりを表す好例として紹介したい。 
<見学のポイント>
 阿弥陀如来立像ばかりでなく,家康から賜ったといわれる鐙(よろい)と鞍(くら)も現存する。
<参考資料>
 「半田市誌」
<問い合わせ先>
 常楽寺
 半田市博物館    0569-23-7173 
 半田市教育委員会 0569-21-3111

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