実相寺(じっそうじ)   <時代>鎌倉時代  <地域>西三河
実相寺釈迦堂 実相寺梵鐘(ぼんしょう)

<所在地> 西尾市上町下屋敷15 (名鉄西尾線西尾駅下車徒歩40分)
<概要>
  1271年(文永8)創建の臨済宗の寺院。吉良氏の祖である西条城主の吉良満氏(きらみつうじ)の開基と伝え,開山は京都東福寺の聖一国師(しょういつこくし)を招請した。中国径山寺の境内図に模して建立されたと言われる。吉良氏の菩提寺(ぼだいじ)として,また,足利尊氏や今川義元の帰依もあって,堂々たる七堂伽藍(しちどうがらん)であった。開山の聖一国師は,間もなく寺内で茶の栽培を行わせたと伝えられる。中国の宋の禅僧は座禅修行の際,眠気覚ましの薬として茶を使用し,臨済宗の開祖・栄西によってその習慣が日本にもたらされたという。したがって,当時の茶の栽培は,寺内での飲用や仏事用が中心であったと思われる。明治になり,殖産興業の一つとして茶の栽培を普及奨励したのは,実相寺の近くにある紅樹院の住職足立順道(あだちじゅんどう)である。足立は1872年(明治5)京都へ出掛けた折,稲荷山一帯の地形や気候が宇治に似通っていることに気付き,寺内に茶畑を作った。その後,村民に茶の栽培を勧め,現在の稲荷山茶園として発展した。
<学習のポイント>
  全国的にも名高い西尾茶の発祥について,仏教寺院とのかかわりや,栽培に適した自然条件を中心に考えてみよう。
<見学のポイント>
  この寺の鐘楼にある鐘は,宝鐸形梵鐘(ほうたくがたぼんしょう)と言って,八葉の風鈴形で撞き座(つきざ)がない。中国の鐘と日本の鐘の要素が混じり合った珍しい形の鐘である。
<参考資料>
  「西尾市史」
<問い合わせ先・ホームページ>
  西尾市教育委員会事務局文化振興課 0563−56−2459
  http://www.city.nishio.aichi.jp/index.cfm/8,0,91,408,htm

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