城宝寺古墳(じょうほうじこふん) <時代>古墳時代  <地域>東三河
(城宝寺古墳の石室入り口) 渡辺崋山句碑

<所在地> 田原市田原町稗田(城宝寺) (豊鉄渥美線三河田原駅下車徒歩3分)

<概要>
 城宝寺古墳は,城宝寺山門の右手にある渥美半島で最大の横穴式石室をもつ円墳で,1975年(昭和50)に県の史跡に指定された。墳丘(ふんきゅう)外側は削られたり原形が変化したりした部分もあるが,墳丘や石室の構造などから6世紀末ころの円墳と推定されている。玄室(げんしつ)と呼ばれる遺体や副葬品(ふくそうひん)を納める部屋は,長さ6.4m,幅2.4m,高さ2.4mで5枚の天井石(てんじょういし)をおいている。また,玄室への通路である羨道(せんどう)は,長さ2.3m,幅1.2m,高さ1.5mが残されているが,羨道の入り口付近は破壊されているので,実際はもう少し長かったと考えられる。副葬品は発見されなかったが,玄室の大きさからかなり有力な豪族の古墳であったと思われる。また城宝寺は,渡辺崋山(わたなべかざん)村松愛蔵(むらまつあいぞう)の墓のある寺としても知られる。

<学習のポイント>
 古墳時代後期の特徴である横穴式石室をもった円墳である。横穴式石室の構造について,調べてみよう。また,この地に古墳がつくられた背景などを考えてみよう。

<見学のポイント>
 石室は柵があるため入ることはできないが,内部の様子を見ることはできる。しっかりした石組みの様子や大きさ,横穴式石室の構造や円墳の様子を実感したい。また,城宝寺は,田原藩の家老で学者また画家としても有名な渡辺崋山の菩提寺である。崋山が26歳の時に藩政改革の意見書を上申したが許されず,無念さを詠んだ句碑「見よや春大地も亨(とお)す地虫さへ」も見学したい。

<参考資料>
 「田原町史」「図説東三河の歴史」「東三河の歴史」「愛知県の歴史散歩」

<問い合わせ先>
 田原市教育委員会文化財課  0531-23-3635

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