赤染衛門 (あかぞめえもん)
生没年未詳。平安時代を代表する女流歌人の一人。清少納言や紫式部と同時代の人物で、和泉式部と並ぶ二女流歌仙と呼ばれた。藤原道長の妻倫子や中宮彰子に仕える。父は赤染時用とも平兼盛とも言われる。大江匡衡(まさひら)と結婚し、その後、息子挙周(たかちか)をもうける。道長から「匡衡衛門」と呼ばれるほど仲むつまじい夫婦であった。 百人一首に「やすらはで寝なましものをさ夜ふけてかたぶくまでの月を見しかな」という歌が採られている。歌集に『赤染衛門集』がある。 愛知県との関わり
夫である大江匡衡が尾張守として赴任したときに、一緒に尾張国にやって来た。熱田神宮周辺で詠んだとされる和歌も残っている。 『赤染衛門集』 |
赤染衛門の歌碑 | 歌碑建立のこと |
教材化のヒント
同じ人物が登場する作品でも、その描かれ方はさまざまである。ここでは、赤染衛門について書かれている三つの作品を読み比べ、赤染衛門の描かれ方の違いを学ぶとともに、作品中で詠まれている赤染衛門の和歌が、その作品においてどのような役割を果たしているかも学ぶ。 身に付けさせたい力 この教材の魅力
一人の人物について書かれているさまざまな文章を読み比べ、その特徴について考察する活動によって、その人物を多面的に捉えることができる。今回は赤染衛門に関する作品を三つ取り上げ、比較読みをする。『古本説話集』では、最初は嫌がっていた夫匡衡との結婚生活に対して、夫が「豪の者」になると嫌いでなくなったというエピソードが紹介されている。また、夫とともに尾張国に赴く様子も描かれている。『紫式部日記』では、赤染衛門のことを紫式部がどのように評価していたかを読み取ることができる。『今昔物語集』では、和歌の力によって状況を変えることができる人物として描かれている。こういった赤染衛門の愛らしさ、才能、家族への愛情など、さまざまな様子を読み取ることを通して、人間の奥深さなどに興味をもってくれるのではないだろうか。 |
大江匡衡の碑 | 衣かけの松跡 |
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