『日本語の個性』は、1976年に外山滋比古によって書かれた日本語に関するエッセイである。
日本語のもつ特性について、伸びやかな文体で書かれており、2020年には改版が出版された。
教材化のヒント
今回取り上げた「日本語の個性」は、豊富な知識からもたらされる多角的な視点
で「ことば」を見つめており、さらに多様な具体例や例えを用いて分かりやすく論
述されている。高校生にとっても非常に読みやすい一冊と言える。また、ある物事
を多角的に捉えてその実態を立体的に把握する外山滋比古の思考をトレースするよ
うな形で高校生にも体験させたい。
一つ目の授業構成案では「構造と内容の把握」に焦点を絞り、具体例のみを取り
出して日本語のどのような特徴の説明になるのかを考察することで、本文の読みを
深めようとする試みである。特に筆者の特徴的なものの捉え方や文化的な関係性の
発見について学び、「ことば」というものをさまざまな視点で見ることで、新たな
発見があることを理解できるとよいと考えている。
二つ目の授業構成案では「考えの形成」に着目し、本文の理解を踏み台にして、
ある意味で生徒自身が言語(文化)研究を行うような取組である。その際に本文の
文化や言語に対する着眼点や洞察が生徒の研究の大きな力になるのではないかと思
う。これ以上ない素晴らしい文章・論理を参考にして、生徒の論理的思考力の成長
を促したい。
そして、どちらの授業構成案においても生徒の相互評価の場を設定している。そ
れぞれの考えを知り、自分との違いの中から新たな発見や知的刺激があると考えて
いる。学び合いを通して深い学びにつながることを念頭に置いて取り組ませていき
たい。