カキツバタと無量壽寺(かきつばたとむりょうじゅじ)  <時代>江戸時代  <地域>西三河
無量壽寺 杜若姫供養塔(かきつばたひめくようとう) 無量壽寺

<所在地> 無量壽寺 知立市八橋町寺内61-1 (名鉄三河線三河八橋駅下車徒歩5分)
<概要>
  無量壽寺は,704年(慶雲元)の開創,はじめは東海山慶雲寺と言った。1812年(文化9)方巌(ほうがん)和尚が住職になり再興した。方巌は,売茶(ばいさ)二世として知られた茶人で,境内にカキツバタを配した煎茶式庭園を作った。境内には業平竹や杜若(かきつばた)姫の供養塔などもあり,在原業平とのかかわりが深いことをしのばせる。寺の「杜若庭園」は,江戸時代中期の特色を示す庭園である。回遊式(1〜4段)になっていて花を見ながら庭を楽しむことができる。方巌は福岡藩に生まれ,1805年(文化2)に八橋へ来た。詩文に優れた人物で,茶を売りながら席を設けた。風流の客を待つ売茶道において高遊外売茶(こうゆうがいばいさ)の流れを継いでいた。
<学習のポイント>
  交通の要所であった鎌倉街道とその周りに残る名所旧跡を調べるときに取り上げてみよう。
<見学のポイント>
  旧鎌倉街道を西に進むと八橋伝説地がある。小丘に在原業平の分骨を納めたと言われる供養塔がある。石碑の裏には「から衣 きつつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」の『古今和歌集』『伊勢物語』に登場する在原業平の歌が見える。業平ゆかりの資料等は無量壽寺境内にある「八橋史跡保存館」で拝観できる。また,近くには在原寺や業平池,根上りの松など名所旧跡が多い。
<参考資料>
  「知立市史」
<問い合わせ先>
  知立市歴史民俗資料館 0566-83-1133

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