普門寺(ふもんじ)  <時代>平安時代〜江戸時代  <地域>東三河
普門寺の山門 普門寺参道

<所在地> 豊橋市雲谷(うのや)町ナベ山下(豊鉄バス二川線 大脇バス停下車徒歩40分)


<概要>
 普門寺(ふもんじ)は寺伝によると,727年(神亀4)に行基が船形山に登り,霊気を感じ,観音様のお告げにより山頂に寺院を建立したことに始まるとされている。真言宗寺院として寺勢を振るうが,平安末期には荒廃し衰えた。しかしその後,源頼朝にゆかりのある化積上人(かしゃくしょうにん)が復興した。源頼朝は1190年(建久元)の上洛の途中でこの寺に宿泊したとされる。戦国時代,今川氏と戸田氏の勢力争いのため全山消失し荒廃したが,今川義元により再建され,江戸時代は幕府の保護で隆盛を迎えた。東三河にはこの他にも頼朝ゆかりの地があり,鞍掛神社(くらかけじんじゃ)や頼朝が馬をつないだとされる,駒止めの桜などが知られる。普門寺には多くの貴重な仏像があり,中でも釈迦如来・阿弥陀如来坐像は1922年(大正11)に国宝(現在は国指定重要文化財)に指定された。両像とも平安時代の仏師定朝(じょうちょう)の様式を示す寄木造(よせぎづくり)である。また,明治時代に昔の本堂跡である元堂から発見された銅経筒・銅鏡も国指定重要文化財である。

<学習のポイント>
  源頼朝ゆかりの寺として紹介するとともに,平安時代の彫刻様式である寄木造や浄土教思想の広がりなどについても理解を深めよう。  

<見学のポイント>
 国指定の仏像などは,4月と12月の第1日曜日に公開される。

<参考資料>
 「豊橋市史」「図説東三河の歴史」「豊橋の史跡と文化財」「豊橋めぐり」「愛知県の歴史散歩」

<問い合わせ先・ホームページ>
 豊橋市美術博物館 0532-51-2882    http://www.toyohaku.gr.jp/bihaku/  

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