観音寺(かんのんじ) <時代>戦国時代 <地域>名古屋
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荒子観音寺本坊 |
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<所在地>
名古屋市中川区荒子町宮窓138 (地下鉄東山線高畑駅下車徒歩15分)
<概要>
729年(天平1)に泰澄(たいちょう)が創建した天台宗の寺である。観音寺という正式名よりも荒子観音(あらこかんのん)の通称のほうが一般的には知られている。当初は現在地よりも北にあり,7堂伽藍12坊を備えた県下でも屈指の霊場であったが,その後衰退した。
しかし,永禄年間(1558〜70)に全運(ぜんうん)の手で再興され,荒子城主であった前田利家(まえだとしいえ)が修造し,江戸時代に入ると尾張(おわり)藩主からも田を寄付される存在へと復興する。
この寺には,1536年(天文5)に再建された市内最古の木造建築物である多宝塔がある。和様と唐様を折衷した室町時代の建築様式で,国の重要文化財に指定されている。残念ながら本堂は,1891年(明治24)の濃尾地震により倒れてしまい,残材により仮堂が作られている。また,鉈(なた)彫りの仏像彫刻で有名な円空(えんくう)作の聖観音,人魔像などの木像が,1,243体も保管されていることでも有名である。
<学習のポイント>
五大老にも名を連ねた加賀百万石の祖,前田利家が織田信長(おだのぶなが)の家臣で尾張出身であったことを理解したい。石川県には,現在でも尾張町という地名がある。また,江戸時代から尾張四観音として重んじられてきた観音寺を,節分のにぎわいとともに調べてみよう。ちなみに,四観音とは,荒子(あらこ)観音,笠寺(かさでら)観音,竜泉寺(りゅうせんじ)観音,甚目寺(じもくじ)観音である。
<見学のポイント>
名古屋市内最古の木造建築物の多宝塔と円空作の仏像(毎月第2土曜日に一般公開)を見逃せない。また,近隣には観音寺と縁深い前田利家の生誕した荒子城の跡,富士権現天満宮(ふじごんげんてんまんぐう)があるので足を延ばしてみたい。
<参考資料>
「名古屋の史跡と文化財」 「名古屋いまむかし」 「愛知県の歴史散歩」
<問い合わせ先>
観音寺
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