教材化のヒント
俳文は教科書に教材として取り上げられることが少ないので、まずはその面白さを「奈良団賛」のように短く分かりやすい文章で理解させ、興味をもたせたい。そして、也有が前津に隠居した53歳の秋につづった「歎老辞」の読解を通して、俳文への理解を深めると同時に、軽妙洒脱な文章の中に語られた作者の老境に入った心境を読み取らせ、名古屋の俳人横井也有に興味をもたせてみてはどうだろうか。
また、『日本古典文学大系 近世俳句俳文集』(岩波書店)に掲載されている「知雨亭記(ちうていき)」(前津にあった隠宅とその周辺の様子、隠宅の名前の由来について書いた文章)や『横井也有全集 中』(名古屋叢書三編 第17巻)に掲載されている「内津草(うつつぐさ)」(春日井内津への旅の様子を書いた道中記)「袷(あはせ)かたびら」(初めて江戸勤番へ出掛けた時の名古屋から江戸までの道中記)など、生徒になじみのある土地の記述がある俳文の紹介もしてみたい。
1 具体的な学習活動例
・どのような和漢の詩歌や故事・ことわざを用いているか考えさせる。
・どのような表現技法を用いているか考えさせる。
・文中にあるユーモラスな表現を指摘させる。
・作者について調べさせる。
・付句の実践や俳文の作成をさせる。
2 身に付けさせたい力
・俳文の滑稽洒脱(しゃだつ)な表現を読み取る力。
・作品に利用されている修辞法、和漢の詩歌や故事、ことわざなどを理解する力。
・古文のテキストの読解を自分の文章に生かして表現する力。
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作者 横井也有
愛知県とのかかわり
本文
教材化のヒント
この教材の魅力
魅力ある授業のために(単元化例)
文学散歩―也有を訪ねて―