7 テストBの結果とその考察
平成24年度高等学校入学者数学学力テストB の問題・正答率・誤答率・主な誤答
その結果,立式に関する問題の正答率に大きな差が見られた。H20とH22の立式の正答率は,72.3%,84.4%と高かったが,H24の食塩水の問題では,立式できた生徒は59.6%であった。また上位群と下位群について調べたところ,正答率や無答率に大きい差があることも分かった。 誤答について確認してみると,食塩水の重さに関する立式(正答①)はよくできているが,食塩の重さに関する立式(正答②)ができていないことが分かった。主な誤答は, が全体の13.5%と高く,次いで 3x+8y=6 で1.9%であった。また という誤答も0.6%あった。このことから,割合から食塩の量を求める部分に問題があると思われる。
辺や面積が変化していく様子を,具体的にxを用いて考えるよう指導していく。
(1)では,四角形の内角の和が360°なので,∠BAC=50°を求めることができる。主な誤答例で60°が8.7%であるが,これは∠ACE=∠ABE=90°より△ACE≡△ABEと間違え,∠CAE=30°と考えたため,∠BAC=60°という誤答になったと思われる。 (2)では,四角形ABECの対角の和が180°より,4点は同一円周上にある。また,∠BAC=∠BDCなので,円周角の定理の逆を利用することで四角形ABCDは同一円周上にある。よって,5点ABCDEは同一円周上にあるから,∠EAC=∠EDCと分かる。誤答例で一番多かったのは,30°で23.5%であった。これは,誤答を書いた生徒の55.7%にもなる。更に調べてみると,(1)は正答であったのに,(2)で30°と答えた生徒は全体の18%もいた。これは,△ABC≡△DCBなどから,△ABE≡△DCEと考えて,∠BAE=∠CDEと考えたためと思われる。円周角の定理の逆を利用することが定着していないことが分かる。
本年度,円周角を利用する問題の正答率が下がったのは,円周角の定理の逆を利用して,図形の中に円を描くことができなかったことが原因と思われる。定理などを学習した直後の演習問題では,その定理を使って問題を解くことができるが,応用問題においては,過去の既習内容のどの定理を利用して解けばよいかを容易に考えることができない場合が多い。問題文の中にある情報や値から,解決の糸口となりそうな定理などを複数思いつく力が必要となる。特に今回のように,四角形の角の問題を解く際には,対角の和が180°になるかとか,円周角に当たる部分が等しくなるかなど,円に内接する四角形の定理を意識して問題を解けるようにしておくことが重要である。