机上でのドライアイスの運動を観察し予想と比較することにより,力の向きと速度の向きが一致しないことを実感させる実験を通して,観点別評価の実際を試みる。
2 方法
ドライアイスの実験では,以下のように評価規準を設定した。
関心・意欲・態度 | ・意欲的に,様々な軌道に挑戦すること。
・ドライアイスを使って,実験に無関係な行動をしないこと。 |
思考・判断 | ・質量の大きさによって軌道の曲がり方(加速の仕方)が異なることを理解できること。
・空気を吹き付ける量(及ぼす力の大きさ)によって軌道の曲がり方(加速の仕方)が異なることを理解できること。 |
観察・実験の技能・表現 | ・安全に実験を行うこと。
・物理量を変化させながら実験を行うこと。 |
知識・理解 | ・力の向きと速度の向きが一致しないことを理解できること。
・実験の目的を理解できること。 |
これらに基づきABCの3段階で評価する。他の生徒実験や授業への取り組み,課題なども同様に評価し,それらを授業での評価として数値化する。定期考査も設問を観点別にして評価する。授業での評価と定期考査の評価を,重み付けを考慮して(例えば1:9,2:8など)評定へ総括する。
3 考察
授業での評価にあまり差がつかない場合は,評定「3」「4」に人数が集中することにもなりかねない。自己評価に頼らず,指導者が全部の観点においてきちんと評価しないと,その重みを増やして評価することはできないだろう。その方法の確立が今後の課題であろう。
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