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十六夜日記
(いざよいにっき)

 「十六夜日記」は藤原為家(ためいえ)の側室、阿仏尼(あぶつに)によって記された紀行的な日記である。
 内容に所領紛争の解決のための訴訟を扱い、また女性の京都から鎌倉への道中の紀行を書くなど、他の女流日記とは大きく趣きを異としている。鎌倉時代の所領紛争の実相を当事者の側から伝える資料としても貴重。風景描写は概念的で感動に乏しい面があるが、近世からかなり読まれた。
 大別すると鎌倉への道中記と鎌倉滞在期の二部構成。成立当初、作者はこの日記に名前を付けておらず、単に「阿仏日記」などと呼ばれていたが、日記が10月16日に始まっていることを由来として後世に現在の名前が付けられた。全一巻。弘安2年(1279)〜弘安3年(1280)成立。


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作者 阿仏尼(あぶつに)

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