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8 テストAの結果とその考察

 平成21年度高等学校入学者数学学力テストA の問題・正答率・誤答率・主な誤答
(1)  因数分解を最後までやり切れていない。 表11
 最近数年間に出題した因数分解の問題とその結果を11に示す。H20を除き,共通因数をくくり出してから公式を利用する問題を出題した。
19では,5(x9)という誤答が約11あった。そこで,本年度は和と差の積の公式に気づきやすい形で出題したが,5(xy)とした誤答が約15あった。この結果から,生徒には括弧でくくれば因数分解が完了しているという意識があるのではないだろうか。括弧の中の式にも目を向けて,因数分解を(有理数の範囲で)最後までやり切れていない傾向が続いている。
今後の指導に向けて
 高校では右に示すような複雑な式の因数分解を学習する。それぞれの段階で何に着目して計算を進めているかを確認しながら指導したい。特に,括弧の中の式がさらに因数分解可能かどうかについて注意を促す必要がある。

(2) 複雑な図になると三角形の相似比が求められない。
表12       
      
本年度テスト[](3)で,基本的な三角形の相似の問題で辺の長さを求めさせたところ,正答率が51.5%であった。よって,相似な三角形が見やすい場合には相似比を活用できているといえる。一方,本問(1)では△AFEと△CFBの相似比が求められた生徒が27.1%であった。平行四辺形の中にある相似な三角形を見つけにくいようである。また,(2)のように相似比を利用して面積を求める問題は正答率が10.1%であった。 
今後の指導に向けて
 複雑な図の中で相似な2つの三角形を把握させ,対応する頂点がどれとどれなのかを確認しながら丁寧に指導したい。図形分野は数式分野に比べて演習をする問題数が少なくなりがちである。図形の定理や性質を単に知識として終わらせないように,練習量を確保して活用する機会を増やしたい。


           目    次
1  調査の趣旨及び処理   5  テストAの結果とその考察
2  調査結果の概要   6  テストBの結果とその考察
3  分析結果の概要   7  テストTの結果とその考察
4  調査問題の妥当性と信頼性     
 平成20年度高等学校数学標準学力検査の結果とその考察(PDF 528KB)