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8 テストAの結果とその考察

 平成25年度高等学校入学者数学学力テストA の問題・正答率・誤答率・主な誤答
(1) グラフを活用する大切さを育てたい
   (1)は水の増加量を読み取り, x と y の関係を1次関数で表す問題で,(2)は(1)の結果を利用して x の値を求める問題である。しかし,正答率は(1)より(2)の方が高い結果になった。これは,25pから既に入っていた5pを引き,その結果を1分当たりの増加量である2で割れば答えが出せるためである。このことに気がついた生徒は,(1)の式ができていなくても(2)で正答を導くことができたようである。   
今後の指導に向けて
  (1)が解けなくても,あきらめず(2)に取り組んだ生徒がいたことは良かったといえる。しかし,今回のように,式を立てることが出来なくても値を出せるという方法は,常に通用するものではないので,条件から式を立てることができるように指導しておく必要がある。特に,高等学校の数学では文字を扱うことが多く,立式しないと解けない場合があるので,立式する方法を確実に身に付けさせたい。
   問題文の「一定の割合」という言葉や誤答の結果から,答えが1次関数であるということは理解できているようである。よって,その1次関数を,y=ax+b とおくことを習慣にさせたい。また,増加量が2であることから1次関数の傾きが2と分かったのだが,はじめに入っている5pの部分を切片として考えることができず,y=2x としてしまった生徒が13.9%いた。これも最初に y=2x+b とおき,(0,5)を代入して b を求めるという手順で解けば,切片を忘れるという誤答も減らしていけると思われる。
  また次のように,1分後,2分後・・・の結果から,関数を類推して求め,最後に立てた式が合っているか確認する方法も紹介すると,更に定着を図ることができる。
(類題)長さ10pのバネがあり,5gのおもりをつるすと25pになる。x g のおもりをつるしたときのばねの長さを y pとする。次の問いに答えなさい。
(1) y を x の式で表しなさい。
(2) バネ全体の長さが40p になるのは何gのおもりをつるしたときか求めなさい。
(解答)
(1) 5gで15p伸びるので1gで3p の割合ということを読み取り,y=3x+b とおく。 (0,10)を代入すると 10=3×0+b よりb=10  したがって y=3x+10
(2) 40=3x+10より,x=10 したがって 10g


           目    次
1  調査の趣旨及び処理   5  テストAの結果とその考察
2  調査結果の概要   6  テストBの結果とその考察
3  分析結果の概要   7  テストTの結果とその考察
4  調査問題の妥当性と信頼性     
 平成24年度高等学校数学標準学力検査の結果とその考察(PDF 1,055KB)