情報科の授業に関する研究

知識や技能を活用した思考力・判断力・表現力等の育成のための指導方法と評価についての研究

県立高等学校教育課程課題研究(情報)の成果を掲載しています。
  研究の概要
  ・情報社会の問題解決
  ・コミュニケーションと情報デザイン
  ・コンピュータとプログラミング
  ・情報通信ネットワークとデータの活用
 を掲載しています。

また、 学習指導案の書式例と作成上の留意点 を作成しました。






情報社会の問題解決





SNSのプロフィールを題材としたデジタル・シティズンシップの育成を目指して
パフォーマンス課題
 SNSのプロフィールに掲載すべき内容について、想定された人物によって掲載すべき内容と掲載すべきでない内容を考えよう。
概略
 政治家、趣味仲間が欲しい人など、さまざまな人物を想定して、個人情報をどこまで掲載すべきか、目的に応じて適切に、選択、判断して活用できる力を育成する授業実践を行った。
配付資料  担当人物カード等





コミュニケーションと情報デザイン





AR(拡張現実)を用いた問題解決を通して
パフォーマンス課題
 ARを使うことで解決できる課題を見つけて、そのARのデザインを作成しよう。
概略
  ARの特性や活用場面を踏まえて、ARを用いることで解決できる問題を見つけ、その解決案を協議する。その後、解決案を達成できるARのデザインを作成して、グループで発表する授業実践を行った。
配付資料  ワークシート




スマートフォンを利用した動画のデータ量の比較
パフォーマンス課題
 スマートフォンの動画の設定を確認し、動画を撮影する課題を通して、さまざまな場面に応じて、適切に画質を設定しよう。
概略
 動画のデータ量の理論値を計算した後、スマートフォンを用いて、設定を変えて動画を撮影し、動画のデータ量を比較する。その後、場面を想定して、画質を設定し、グループで発表する授業実践を行った。




文章から必要な情報を抽出し,図形を用いて表現する学習
パフォーマンス課題
 文章で書かれた会社案内(課題文)を、図解を用いて社外の人に分かりやすく伝えましょう。
概略
 架空の会社案内から要点を抜き出し、構造化・階層化した図解を作成する。その後、グループ協議を行い、再度、図解化したものを修正する授業実践を行った。




「伝える対象」と「伝えたい内容」を意識した情報デザイン
パフォーマンス課題
 あなたは、広告制作会社の社員です。今回、料理教室の生徒募集ポスターの制作依頼がきました。対象とする年代や性別等を明確にして、より多くの生徒を集めることができるポスターのデザインを考え、料理教室の担当者に提案してください。
概略
 情報を発信する際に、情報デザインの基本的な考え方に基づき、誰(世代、性別、知識レベル、関心レベル)を対象としているか、何を伝えたいかなど、受け手を意識したデザインを考える力を育成する授業実践を行った。







デジタル化したピクトグラムの作成による情報の抽象化と科学的な理解を育成する情報デザインの実践
パフォーマンス課題
 部活動や学校施設など学校に関する施設案内をピクトグラムで作成してみよう。
概略
 紙に下書きを作成した後、色の階調と解像度の制限を与えて、情報の抽象化をする手法を学び、ピクトグラムのデジタル化を行った。その後、グループで協議してピクトグラムを改善し、他者の考えや意見を参考にして振り返りをする授業実践を行った。





コンピュータとプログラミング





情報デザインの考え方を取り入れたプログラミング教育
パフォーマンス課題
 オリンピック競技・部活動・学校内の施設や状態等に関する、オリジナルの動くピクトグラムをデザインしよう。
概略
 オリジナルのピクトグラムを紙で作成して、工夫した点など説明する。その後、ピクトグラミングを用いて、分岐や反復などを用いた動きのあるピクトグラムをプログラムする授業実践を行った。




カレーライスの作り方におけるフローチャートによる表現
パフォーマンス課題
 カレールーのパッケージに描かれた「カレーライスの作り方」の手順をフローチャートで表現しよう。
概略
 生徒の身の回りの事象から具体的な問題を主体的に発見し、問題を明確化して解決策を考えるため、市販のカレールーのパッケージを参考に授業実践を行った。





コードを読み解き,発展させるプログラミング活動
パフォーマンス課題
 身の回りにある問題を解決するためのプログラムを、フローチャートを参考にコードを読み解き、「何をしているプログラムか」を相手に伝わるように説明しよう。
概略
 紙で与えられたプログラムとフローチャートをトレースしたり、パソコン上で実際に数値を入れたりして、ペアワークでプログラムのコードを協働で読み解く。その後、個人でプログラムの改良点を考え、プログラムを修正する授業実践を行った。





情報通信ネットワークとデータの活用





お菓子(グミ)の個数の偏りを題材としたグラフ化と検定
パフォーマンス課題
 一袋に複数の味の種類が入っているお菓子の、種類ごとの個数は均等といえるか考えよう。
概略
 一袋の中に複数の種類が混在するお菓子の種類の偏りについて、実際に検定を行って、グラフ化する。検定の意義と必要性を理解し、データに含まれる傾向を見いだす力を育成する授業実践を行った。
配付資料  ワークシート




テキストマイニングによる質的データの分析と考察
パフォーマンス課題
 アンケートを分析して学校の強みや改善点を考えよう。
概略
  良い点、悪い点など 「授業」「行事」「部活」「施設」「その他学校生活全般」について、自由記述形式のアンケートとして実施し、テキストマイニングを活用して「学校の強みと弱み」「学校の強みを更に伸ばす方策と改善案」について考察し記述させる授業実践を行った。




オープンデータを活用し,多面的に分析して考察する力,結果を分かりやすく伝える力を育てる
パフォーマンス課題
 三世代世帯(夫婦とその子、妻の両親・弟妹)、核家族世帯(夫婦とその子)、核家族世帯(65歳以上の夫婦)、核家族世帯(20歳代の夫婦)、単独世帯(大学生)の家族の転居先として住みよい最適な都市を選びましょう。
概略
 それぞれの家族にとって住みよい都市はどのような都市であるか、分析の着眼点をグループで協議し、オープンデータを利用してデータを収集し、分析・考察した上で最適な都市を決定した。さらに、その分析結果を受け手に分かりやすくまとめて伝える授業実践を行った。





データ分析による交通事故の実態の把握と傾向を見いだす力の育成
パフォーマンス課題
 愛知県の交通事故死者数を減らすための方策として、交通に関する統計をはじめとしたさまざまなデータを分析し、事故の実態を把握することで、データの変化や関連性について傾向を見つけよう。
概略
 提示された複数の交通に関する統計資料からデータを収集し、表計算ソフトウェアを利用して、データについて整理や比較をし、変化や関連性について考察した。さらに、その結果を表やグラフとして作成して、データの傾向を説明する授業実践を行った。